大日本絵画「スケール アヴィエーション Vol. 090 w/ファインモールド 零戦22型 (1/72) 」

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スケールアヴィエーション、創刊15周年記念号です。もうそんな経つのか、月日は飛び去る航空機のようですね。今号は特別付録としてファインモールド製1/72スケール零戦二二型がフルセットで付属し特別価格となっております。

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当然のことながら特集も零戦二二型、「最も優美なる零戦」と題してキットの作例や製作上のコツ、機体解説などがまとめられています。二二型の実機(実機の部品を使用して作られた、ロシア製の新造機体)を日本にもって来ようって動きがあるのですかふむふむ。しかしそれは「里帰り」と言わんのではないでしょうかうむうむ。

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一一型/二一型と同様の長い主翼と三二型以降の栄二一型エンジン・カウリングを兼ね備えた零戦二二型は確かに「最も優美なる」外形を持つ機体と言えるでしょう。しかしながら太平洋戦争に本機が投入された時点での戦局は「終わりの始まり」の時期でもあり、多くの機体は品質の低下した塗料が剥がれながらの飛行を続けています。作例でもそれは反映されていて、いかにして粗い迷彩や汚れ方を「綺麗に」施すかが二二型製作のポイントかも知れません。AFVモデルの技法を用いてウェザリングを行った記事は非常に興味深いものです。

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その辺の勘所は製作ガイドの方でも触れられています。しかし銀チョロもあんまりやり過ぎると天国の坂井三郎氏あたりから「これじゃ整備不良だ」とツッコまれますので程度を見ないと要注意です(w 正月に所沢で見てきたプレーンズ・オブ・フェイムの五二型は丁寧に整備されていたんだなあとふと思う。

2007年の零戦二一型から始まった「至高のゼロ」マガジンキットシリーズは今回の二二型を持って完結となります。雑誌付録の売りきりで再生産無しの手法には賛否両論あるかも知れません。が、やはり売れ行きは好調だったようで、このクオリティでの零戦三二型や二二型のキット化は通常のリリース体制ではあり得なかったでしょう。

じゃあ当然次の企画は「究極の二式水戦」で…え、そんなのありえないですかそうですよね。

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というわけで(今号の内容とは直接関係無いのですが)次のマガジンキットはモデルグラフィックス本誌9月号(7/25発売)の九試単戦となります。スタジオジブリ製作映画「風立ちぬ」との事実上の連携ですけどあくまで実機のスケールモデルであり、特にパテントを払う必要がどこにもないのは良いネタと言えそうですね(笑)

いやしかし、九試単戦のプラモデルが開発されるなんてすげェ時代になったもんだな……

「零戦と九試単戦はそっくりなんです」

というファインモールド鈴木社長の言葉が含蓄に富んでいます。零戦って技術的にはゴール地点であって、本コースやスタートラインは九六艦戦やこの九試単戦だったという訳です。

「ウソだと思うなら、この九試単戦を引き込み脚にして、零戦の風防を被せた姿を想像してみればいいんです」

いやそれは、単にヘンなヒコーキにしかならないんでわ。九試単戦には逆ガル翼とか尾部のデカいフィレットとか独特の特徴もありますし(^^;

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今号は「飛人探訪」でも鈴木邦弘社長とファインモールド社を取材しています。内容もさることながら「無限軌道の会」時代の初インジェクションキット、鳥山明デザイン美少女フィギュア「リーザ」が掲載されていてテラナツカシス。ガールズ&ミリタリーはファインモールドにとっては根っこの位置を占める基盤的概念ですねい。

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そのほかの連載記事も「名機百選」ではRSモデルの1/72エアスピード・エンボイ、「夢見る翼」ではバンダイの(!)あの1/72YS-11をエアーニッポンのカラーリングで仕上げ、ファインモールド1/72Bf109をハルトマンのG型に厚くウェザリングを施して…などいつも通りの高いクオリティです。そして個人的には「六試小型夜間偵察飛行艇」コロジーモデル製1/72レジンキット作例がツボです。恥ずかしながらメーカー様どころか機体の存在さえこの記事読んで初めて知りました。6機のみの生産で軍制式には不採用に終わりながら、のちに民間で旅客機や遊覧飛行機に転用された飛行艇。のどかな外観でこれこそ宮崎駿の「雑想ノート」に相応しい機体かも知れないなあ。などと。

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対して1/144スケールでカタパルトや高角砲塔まで作り込まれた零式三座水上偵察機の作例はミリタリズム満載で実に好対照な記事になってます。カッチョエエ!と言わざるを得ない。使用した零水偵のキットがクラウンの超ビンテージ品なのも色々すごい。

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対照的と言えばボークスの1/32タンクTa152とバトルアクスの1/32アルバトロスD.IIIDEFが並んでいるのも対照的。ドイツ空軍最後のプロペラ戦闘機と第一次世界大戦の複葉機を同列に俯瞰できるのは模型ならではの楽しみです。日本人なら誰でも「風呂敷」を思い浮かべるようなアルバトロスの迷彩が、まるでマンガ家のとり・みきかあるいは「SF大会でとり・みきに間違えられた大森望」みたいで面白いよなーと、飛行機模型とは全然関係ない話題を振って何が言いたいんだか自分でもよくワカラン(笑)

なお今回は雑誌部分のみ取り上げまして、付録のキットは後日あらためて記事化する予定です。

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