大日本絵画「モスキート爆撃機/戦闘爆撃機部隊の戦歴」

f:id:HueyAndDewey:20110422122015j:image

デ・ハヴィランド「モスキート」はスピットファイア戦闘機、ランカスター重爆撃機と並んで第二次世界大戦に於けるイギリス空軍の傑作機です。ロールスロイス「マーリン」エンジン2基を搭載した全木製の機体は魔術師さながらの高性能を発揮し、“Wooden Wonder”と称されました。

そんな飛行機が「蚊」なんて名前で呼ばれることを、イギリス人は気にしないのだろうか。そのへん実にフシギな精神構造でありますが、まあイギリス人だしな。

「戦闘機より早く飛べる爆撃機を作れば航空戦は楽勝だ」そんなふうに考えた人は世の中それなりに存在し、二次大戦前夜にはいくつもの高速爆撃機が各国で作られました。実際に戦争が始まってみると「戦闘機よりも早く飛べる爆撃機よりももっと早く飛べる戦闘機を作れば(略)」と考えてた人の方がよっぽど多かったので「戦闘機よりも早く飛べない爆撃機」はどこの空でもバタバタ落とされました。そういうものだ。

f:id:HueyAndDewey:20110422123150j:image

モスキートはそんな状況の中で生まれた「本当に戦闘機よりも早く飛べる爆撃機」のひとつです。派生形はいくつもありますが、本書では開発当初の目的であった爆撃機型モスキートB並びに最も多く生産された戦闘爆撃機型モスキートFBの部隊戦歴を記した一冊。夜間戦闘機型モスキートNFの記録は掲載されていませんのであしからずご了承ください。

f:id:HueyAndDewey:20110422123647j:image

モスキートの爆撃行はヒロイックな心情を煽る任務が多いのか時折小説・映画などのフィクション作品にも登場します。高速低空侵攻してゲシュタポ本部にピンポイント爆撃なんてまさに映画的興奮をかき立てられるもので、エアフィックスのパッケージアートは多分その類なんでしょう。時には尾翼で屋根を削り、機体に食い込んだ煙突の端を持ちかえり。そんな爆撃の瞬間を撮影した迫力のフォトが満載で当事者の証言もいつに増して多く、オスプレイ軍用機シリーズのなかでも生々しい内容と言えるでしょう。

f:id:HueyAndDewey:20110422124409j:image

「クッキー」もしくは「ブロックバスター」と呼称される4000ポンド爆弾を搭載中のモスキート。夜間/中間を問わず都市への戦略爆撃も実行できる高速爆撃機として実に有用な機体です。ドイツ軍が夜間戦闘機型を模倣したフォッケウルフTa154は有名ですが、本当に必要としてたのは「飛べるなら爆撃機にしろ」という例のアレで。

f:id:HueyAndDewey:20110422125551j:image

戦闘爆撃機型モスキートFBこそ、まさしく万能多用途機の傑作です。爆弾・機銃に加えて翼下にロケット弾を吊下し時には機首部分に6ポンド機関砲まで備えた重武装で様々な作戦に投入されました。フィヨルドでの活躍は映画「633爆撃隊」で超!有名ですが実際にはあれほど狭隘なところを飛んでた訳では、ない。という一枚。

f:id:HueyAndDewey:20110422130355j:image:w500

カラー塗装図から「疑問符」の名前で呼ばれてホントに「?」って書いてある「DZ383/?」とビルマの高温多湿で木製機体が変質し、あわててシルバー1色に塗り替えられた「RF668/OB-J」のふたつを載せてみます。いろいろエピソードの多い機体の割には、いまひとつ日本では人気薄な気がするのはなんでだろう?

…木製機ってスジボリ少なくて済むんでプラモで作るには楽なんですよ?

あわせて読みたい