大日本絵画「モデル・グラフィックス 2012/07」

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MG誌2012年7月号、巻頭は「ワルシャワ条約機構[地の巻]」と題した旧ソ連・ロシア製AFVの特集です。

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ワルシャワ・パクトの名前を聞くのも久しぶり、懐かしきは冷戦時代でいずれはこのつぶれたあんパンみたいな戦車の群れがわらわら湧き出て世界地図も教科書も真っ赤っ赤に染めてしまう。そんなふうに思っていた時期が僕にもありました。幸いにしてシャンゼリゼ通りがワインより赤く染まることもなく、鉄のカーテンの向こう、かつての仮想敵国の戦車を好きなだけ愛でることが出来るのだから模型趣味はたまらん。

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戦車模型業界的に言いますとドイツ軍アイテムがほぼ飽和状態にある昨今ですから、旧ソ連・ロシア軍アイテムもじわじわとその数を増しています。今回の特集はタミヤ、トランペッター、ズベズダの最近のキットに加えて懐かしいドラゴンのアイテム(現在はサイバーホビーやズベズダのブランドで流通)も含めたにぎやかな内容…にしてもこの地味すぎるカラーリングである。

そのいわゆるロシアングリーンについて、作例を担当した6名のモデラーの使用塗料、表現方法の違いがいちばんの見どころかもしれません。各人が何をどうしたのか簡潔に語っている頁は読み応えがあって面白い…より何よりこのページのモデラー諸氏の顔写真がみんなドヤ顔やら決めポーズやらの連続でひと昔前のAMみたいになってます(w;

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ロシア戦車の発展をガンダムのジオンMSに例えた不可思議なコラムや実車解説については最新のT-90バリエーションへの言及がなかったりなど共産趣味者的には若干食い足りない面もあるのですけれど、キットリストやロシア戦車が登場する映画DVDの紹介など様々な面から20世紀の後半に世界の左半分を支配していた軍事同盟について語られています。旧ソ連が崩壊した年に生まれたお方が成人式を迎える程に時間が経ちましたけれど、たまにはこの時代を懐かしく思うのも良いものですな。

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いかにも「悪の帝国と衛星国家群」VS「ぼくたち自由主義で団結してナカーマ」なプロパガンダ臭い構図になんかね…こう、じわじわ来るものがね…。実際にはNATO(北大西洋条約機構)だってアメリカ一国に支えられてた面はあるのだけれどね。

その他作例記事としては、飛行機ものではグレートウォールの1/48デバステーター、サイバーホビーの1/200XB-70Aバルキリー、ズベズダの1/144ボーイング747-8(787に続いてボーイングの最新旅客機はまずロシアメーカーによる製品化です。いい時代になったものです)に加えて、

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岡部ださく先生著「世界の駄っ作機」第1巻でもその全貌が語られているカーチスSO3Cシーミュー水上観測機の、スウォード製1/72インジェクションキットの目を覆うばかりの格好良さにしびれるあこがれる。いやね、駄っ作機の1巻が出てた頃って「この中に一機だけ実在しない機体があります」とかクイズ出せちゃうほど、どいつもこいつもどマイナー揃いの機体ばっかりだったのに、こんなにもカッチョイイプラモになるだなんて!そしてあらためて立体で見ると本当にダメダメっぽいな!!と、いろいろ複雑な感慨を…抱くもので…

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艦船模型のページでは「英国軍艦勇者列伝」刊行に併せたイギリス駆逐艦の小特集と今号やけに岡部いさく先生色が強いんですけど、当のご本人がtwitterで絶賛されていたピットロードの1/700ヴイットリオ・ヴェネトがなるほどこりゃ格好良いです。ブリッジ形状など他に類を見ないスポーティさでまるで…まるでなんだろう、他に類を見ないんですよ(w;

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カーモデルではレベル1/24シトロエン2CVをジェームズ・ボンド007「ユア・アイズ・オンリー」仕様が目を引きます。ボンド映画の悪役としても、ワルシャワ条約機構は稀に登場していますねえ…

これらに比べて今月のキャラクターモデル関連の記事は若干さびしい印象があります。ガンプラのMGマラサイ、HGUCジュアッグそしてAGEシリーズからHGガンダムAGE-3ノーマルの各ニューキットレビューが掲載されていますけれど、やっぱりホビーショー直後のこととて既視感が否めないところ。

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新製品情報としてはコトブキヤの1/35ガンヘッド試作原形(かな?)が興味深いところです。以前は静岡にもブース出されていたものですが…

連載記事の方ではレットラ第3期のリックディアスが早くも完成、「ホルモグール研究所」ではモリナガ・ヨウ氏による地球深部探査船「ちきゅう」のイラストルポなどバンダイ製品関連でも見どころはちゃんとありますのでご心配なさらずとも、といったMG7月号です。

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