所沢航空記念公園に行ってきました。
週末お天気がよかったのでちょっと足を延ばして「日本航空発祥の地」に出かけてきました。上野の「空と宇宙展」は無事終了しましたけれど、新宿から電車で一時間も掛らない場所では鋭意航空100周年継続中です。ちなみにこちらが公式サイト。歩き回りお散歩日記テイストで以下。
…しかし昨日は好天に恵まれたのに、なんで今日は雪降ってたの(´・ω・`)
西武新宿線「航空公園」駅に着くなり駅構内の喫茶店が「アンリー・ファルマン」なんて店名でテンション上がりますけれど、視線はもう駅前ロータリーに鎮座しているYS-11にクギ付け(笑)
背景に映り込んでいる通りにマンションや住宅地が直結しているごくごくありふれた郊外型の駅なのに、目の前にこれですよ!?毎朝これみて通勤通学してたら人生の道をいろいろ誤りそうで住んでるひとがうらやましいなー。
だってこんなにエロい曲線美がですね
日々の生活の中に存在してたらこー、あれだぜ?ハダカの美少女フィギュアに毎日囲まれてる模型店員のように…ように…
…なにも感じないかもだ(´・ω・`)
国産機であってもコーションマークは英語でした。へえええ。旅客機としての国際的(?)基準なのか、接写したのがエンジンナセルなのでロールスロイス・ダートエンジンの規定なのかその辺はわからないですけど。
展示パネルによると年に何度か内部公開もしてるそうで裏山。
野球場や野外音楽堂なども併設されている公園内に入ってみれば「航空発祥の碑」なるものが据え置かれて当地の来歴を語ってくれます。簡潔に述べると100年前に日本で初めて飛行場が建設され徳川大尉が初飛行したのでここが発祥の地、らしいですな。ところで察しの良い方はお気づきかも知れませんが、徳川大尉が初飛行を行ったのは代々木の練兵場ですよね。
初飛行と航空発祥って違うのか。
語義的には同じかも知れないが地域振興的には違う。さて諸君、語義と地域振興とではどちらが重要視されるかと言えば、それはもちろん金の成る木が生える方だよさあどんどん行こうね。
園内には公園のシンボルともなっているC-46輸送機がナチュラル・メタリックの機体表面も鮮やかに展示されてます。こいつをバックに弁当食ったら旨そうだなーとか思います。なんでも航空自衛隊使用当時の愛称は「天馬」だったとかで北朝鮮陸軍のT-62“天馬号”戦車とは縁もゆかりも全然ないぞ!!
オレンジ塗装部分のみ表面処理が異なるようですね。露天駐機の機体が為にこれがそのまま使用当時の状態を保たれているかは判然としないのですけど。
なにしろエンジン内にはスズメが巣を作ってるほどなのだ。
いやーーーーーーー、こころある飛行機ファンならゲキドりかねない状況かも知れません。自分もこれまで野ざらし保存にあまり良い顔はしてこなかった。
でもね、ここに来て青い空と広い土地と大勢の人に囲まれ親しまれているならそれもいいかな、と思いましたよ。手入れは勿論行き届いてものほしいですけれど、決して研究者やマニアを相手に保存されているのではないわけで。
なによりカワエエ(*´Д`) いいじゃないですか、プラット&ホイットニー・ダブルワスプエンジンの中に住み着いてるスズメがいたって。
…プロペラブレードが白っぽいのは気にするな
歴史的な銅像などもそこかしこに置かれています。
導入当初の航空機は砲兵器材であったことを今に伝えるもの。
日本初の航空事故と殉職者2名を追悼するモニュメント。
宇宙関係も多少はあります(笑)そいえば東武伊勢崎線館林駅前のスペースシャトル像はこの先どうなるんだろう???
園内中央部には「放送塔」なるニコラテスラ風味満載な建造物。ナニを放送するんだろうなー(多分、普通の放送だ)。ちなみにこの辺在日米軍や自衛隊の通信設備が集中してるのでデカいアンテナが林立してます。ところで防衛省内には「電波部」が存在しそこは「電波部長」に統括される部門である。ゆんゆん♪
そしてここの本番はこれ!な「所沢航空発祥記念館」です。入場料はおとな500円と実にリーズナブル。
「鳥の羽ばたきの仕組み」からはじまる包括的な航空博物館は日本国内でも珍しいものかと。「飛行機のひみつ」をまさに体感できるいくつもの展示や、
ホール・オブ・フェイム的なものもあり(これは長距離飛行記録とそのルート)
明治時代の陸軍気球隊の看板実物やヒゲがプロペラなのかプロペラをヒゲにしたのか長岡外史中将(臨時軍用気球研究会初代会長)写真など日本の航空創世記を今に伝える貴重な資料も多く有しています。
ライト兄弟や徳川大尉の初飛行を今の世に伝える展示模型はお約束の逸品で
その詳細な作り込みもさることながら「窓の向こう側」に展示する古式ゆかしいパノラマスタイルにも、何らかのモデラー魂がくすぐられます。「パノラマ島奇譚」ええわぁー(乱歩か)
「まんが日本むかし話」テイストな航空事始アニメーションがエンドレスで流れていました。この絵柄で本土防空戦までやってくれないものかと思いましたがそんなものはない。
とはいえ航空と戦争は避けて通れない関係です。九一式戦闘機は残骸とはいえ産業遺産指定を受けた実物。
三式戦闘機「飛燕」のハー40エンジン(但し天地逆になってます)や一式戦「隼」の主輪など、大戦中の事物はなるべく部品単位で展示する方針のようでその点軍事マニアには不満が残るかもしれませんね。模型はいくつかあったのですが。
日本陸海軍主要航空機の発展図みたいなのがありまして、一番上はアンリ・ファルマンから始まり…
有人飛行爆弾「桜花」で終わってる。実はこの特攻兵器も実物がすぐ隣の航空自衛隊入間基地に保存されていまして、埼玉県にはいろいろゆかりがあるのでしょうね。靖国神社にあるのはレプリカなんです。
そして航空発祥記念館の目玉はやっぱり実機の展示でしょう。入間が近いと書きましたがその辺りの関係からか、自衛隊が使用していた物を中心に実際の航空機を身近で見ることが出来ます。自衛隊使用の機体も練習機・輸送ヘリコプターが主体でやっぱり「武器」色は抜いてますね。
個人的に嬉しいバートルV-44。「フライング・バナナ」を目にするのは生まれて初めてだー!!記事書きながらいま調べてみたら結構なレア物らしひ。
「ヨコハマ買い出し紀行」ファンとしてもテキサンは黄色が良いなと思う訳です。
しかしこれ改造してゼロファイターだと言い張るハリウッドも大概だな。
シコルスキーS-55の展示は日本でここだけに限らない(お台場の科学未来館にもあったハズ)けど、内部に乗り込んだのは初めてなんでちょっとコーフンしたw
V-44も中に入れました。思いのほか狭い!そして機体後半部は全部エンジンなのであった…
ヘリ好きなひとは絶対に!音楽プレーヤーに「ワルキューレの騎行」入れてもってくるべきだと思うお(`・ω・´)
T-1かっこいいよT-1。なんで日本語のコーションにムラムラするかといえば思うにこれ「エヴァっぽい」んじゃねーかなと、むかしはそんなこと考えなかったものなぁ…
マクロスファンには釈迦に説法な話ですけれど、VF-1JってジャパンのJですからその辺活かしたモデリングとか、どうかなーと。
建物の構造上大抵の機体が逆光で撮れちゃって困るんですけど、
そんなんで困るのはネットにブログ書こうってヤツの話で、
実際に見て回り、歩いて回る楽しさにはひとつの陰りも無い。
ああエンジンがこんなにあああああ…ロールスロイス・ニーンとか置いてあるんだぜ!ミーティアとかMiG―15が積んでたんだぜ!!
テキサン操縦席のくたびれ感は1/32大戦機モデラーの参考になるかもしれません。長年使いこまれた練習機と最前線の機体とでは比べるものではないのかも知れませんけど、模型的見栄えとしては、いろいろと。
若干くたびれてますけど飛行場の管制塔パネルもあったりしてちょっとした職業体験ですね。劇場版「パトレイバー2」のバッジシステムごっことか出来そー。
ジャンボジェットのフライトシミュレーターが撤去されてたのは、まあ、仕方が無いか…
売店にはなつかしいスチロールやバルサ・竹ヒゴ材で出来たヒコーキ玩具なども販売されていて、買ったその場で組み立てて飛ばしている方が大勢いらっしゃいました。あんまり楽しそうな人々の姿になんだか泣けてくる。あの場所はたしかに自分もむかしいたところなんだ。あんな風に素直に遊んでた時代もちゃんとあった。でも今は、入っていけないところです。もどれない場所です。
今ではショーウインドーの片隅に置かれたコーギー社のデファイアントに敏感に反応するような、すっかりスレてビョーキィな人間になっちまってさ…
(おわり)