新紀元社「スケールモデルファン Vol.10」
隔月刊化以来ユニークな特集とピンポイントな誌面構成で定評のあるスケールモデルファン、Vol.10は現代ロシア空軍主力戦闘機、フランカーとフルクラムの系譜です。
Su-27フランカー・MiG-29フルクラムの2機種がはじめて姿を現した1980年代、飛行機模型業界でも突発的にブームとなったことを今でもよく覚えています。日本ではベレンコ注意のMiG-25亡命事件以来のインパクトを持って受け止められたソ連の新世代戦闘機でした。
それ以来ソビエト連邦からロシア共和国へと体制は変換し、スホーイ、ミコヤン・グレビッチ両設計局とも現在では民間企業化されていますが、フランカーとフルクラムの2機種は発展と改装を続けて現在も変わらずロシア空軍力の中核を占める存在です。
模型の世界では80年代のブーム時期に開発された古い製品が長く流通を続けていましたが、近年になってようやく現代のプラモデル技術で設計された新しい製品が揃ってきました。今回の特集はそれら最近のモデルを中心にフランカー/フルクラムの様々なバリエーションを作り上げ、両機体の魅力に迫る内容です。グレートウォールのMiG-29はとりたててエッチングなど使わなくとも素晴らしい出来栄えですねえ(うっとり)
機体細部のディティール・マーキングも欧米の機体とは一味違って独特の魅力を持つ物です。製作途中の写真もフルカラーで大判のものが多く用いられ、作業過程が分かり易いのは従来通り本誌の秀でたところ。
基本設計は80年代の機体なのでアビエーションテクノロジーの観点からはアメリカの最新鋭機に遅れを取る存在かもしれません、しかしながら模型として見た場合の格好よさ、ある種の獰猛さはラプターもライトニングIIも全く及ばないものです!タイフーンなにそれおいしいのって感じだ(主観は個人の感想です)
長く生産され各国に輸出も続いているので機体バリエーションが豊富なことも魅力でしょう。この点もさっさとラインを閉じちゃったラプターとは大違いで模型メーカーに易しい戦闘機ですね。中国が独自開発したJ-15戦闘機をSu-33のパーツはそのままデカール替えだけで出しちゃったハセガワの製品は文句来なかったんでしょうか。独自開発ですよドクジカイハツ(棒
Su-35SやMiG-35Dといった最新鋭に属する機体はさすがに製品化されていませんが、ベースとなるキットは十分ありますから改造も容易です。ひとつ良いものを出しておけばそこから様々に広がるのがプラモデルの良いところです。
識別点や工作内容もクローズアップや途中写真で分かり易く解説され、腕に自信がある方ならば、本書を参考に実際に製作することは十分可能でしょう。
主要キットリストや実機資料も豊富に掲載されています。エア物業界にあって現用ロシア機ファンは決して大勢を占める勢力ではないかもしれませんが俺が、俺たちがぼるしぇびきだ!資本主義者でもぶん殴ってみせるぜ!!(※現在のロシア共和国は資本主義体制です)