新紀元社「スケールモデルファン Vol.9」

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スケールモデルファン第9号、隔月刊化第二弾となる今回の特集は「世界の最新鋭戦闘車両」です。

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近年ミリタリーモデルの分野では現用アイテムが着実に数を増しています。その割にはこれまであまり雑誌特集的な立場で大きく取り上げられることがあまりなかったようにも思うのですが、ここにきてようやく(?)いくつかの場所で現用AFVがクローズアップされ出した、今回の特集もそんな流れとなるのかな。

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他社の月刊模型雑誌と違ってキットレビュー的な点では若干遅れを取る面が有りもするのでしょうが、後発の分ニューキット紹介の観点では出来ないような作例を提示できるのではないか…と、思われます。フジミ1/72スケール10式を試作車体から量産型への改造記事は、この本出た直後のタイミングでしたか量産型の発売が発表されちゃったので微妙なところではありますが、車体表面滑り止め加工を始めとしてディティールアップのガイドとしての役割は、量産型のキットを作るための予習ともなるでしょう。

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今回ヨーロッパの次世代歩兵戦闘車キットの記事は充実しています。先日オランダ軍の車輛が鉄道輸送される様がネットで話題(笑)となったCV-9040C、ようやく量産型がロールアウトしたプーマ、ホビーボスとレベルでプロトタイプ/量産型の違いをレビューするボクサー装輪APCなど盛りだくさん。こうしてみると西欧のIFV、APC開発の流れは――当たり前なんですけれど――アメリカやイスラエル、日本とはまるで異なるドクトリンの上に成り立っているものなので、そう簡単に比較は出来ないだろうなと思わされる。簡単に比べたがる人は主に原稿用紙の升目を埋めるドクトリンで動いているのでしょう。

プーマ歩兵戦闘車、量産型では車体後部のリボルバー式グレネードランチャー撤去されてるんですね。放っておくと遠隔操作兵器ステーション載せたがるのはなんだ、ドイツ人の宿業か何かか。

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資料となる実車写真にも多くのページが割かれています。最近はネット上でいろいろ見られるのは確かですが、いざ実作にあたっては手元で簡単にめくれる紙資料も大事なのです。しかしバルケンクロイツに砂漠迷彩を施した車輛が中東地域で活動してるって、ずいぶん時代は変わったものだな…

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記事はスキャンしていませんが自走砲ではピットロードの99式自走砲とレベルのPzH2000が紹介されています。発売から時間のあいたPzH2000のディティールアップはなかなかに見どころなのですが、資料写真で掲載されてるギリシア軍仕様の車体を見てこー、一体だれと戦うつもりだったんだろうなあと不思議に思う。確か同国はレオパルト2の最高級仕様A6EXまで導入していた筈ですし、ギリシアの国家財政が破綻するのもむべなるかな……

そんなことを考えられるのも現用AFVプラモデルの特色です(かしら?)

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個人的にイチオシの記事はパンダモデルのツングースカです。ボイジャーのエッチングセットを使ってディティールアップ…というか記事ではそこまで書いてないけど部位によってはキット付属のエッチングより使いやすいんじゃなかろうか。ともかく組み立てるだけでも大変なキットをちゃんと形にしています。完成品をあまり目にしないもので実に眼福。

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なぜかツングースカの資料ページだけはモノクロ写真なのが残念ではありますけれど、クローズアップのフォトからは「押し出しとハッタリは強そうだけれど、よくよく細部を見ると弱そう」なロシアAFVの魅力を十分に感じ取れることでしょう。マシーネンぽいよなぁこれ。

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エレールのVBCIがニューキット紹介のページだけなのがいささか惜しまれます。これすごくいいキットだって話なのですが、今回特集の刊行タイミングからは外れちゃったみたいで……以前人づてに聞いた噂では、なんでも以前タミヤに勤めていたフランス人のかたはその後エレールに移られたとか聴きましたが、このキットの設計には関わっているのかな。付属のFA-MAS小銃とMINIMI機関銃が良い出来なんですよーこれ。

隔月刊でジャンル特化すると情報の鮮度では総合月間雑誌にかなわないところもあるでしょう。けれど情報って鮮度だけでは無いでしょうから、そこを逆手に例えば確度の高い情報発信が出来たら良いなあと思うのです。

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