新紀元社「第二次大戦日本陸軍中戦車」

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芸文社の旧マスターモデラーズの流れをくむスケールモデル作品集、「ミリタリーモデリングBOOK」シリーズから、旧日本軍AFVをまとめた一冊です。

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国産第一号の八九式中戦車から太平洋戦争最後の五式中戦車まで、この一冊で日本軍戦車の発達を概観するようなプラモ製作ガイドブックです。(ただし軽戦車や自走砲などの器材は掲載が無いのでその点はご注意ください)特徴としては比較的レジンキット・改造パーツを使った作例記事が多めな印象と言えましょうか、例えば八九式は現在店頭ではあまり見かけないグムカ製のレジンフルキット(後期型)を使用しています。もちろんアーマーモデリング付属のマガジンキット製作の参考にはなりますしこのあたりは版元のしがらみもゴニョゴニョ…

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インジェクションキットではファインモールドの一連の製品が大活躍で、以前は数少ないモノクロの記録写真でしか判別できなかった増加装甲型チハ車もひとたび一度立体化されればこのような美しいフォトで細部を窺い知ることが出来ます。また新砲塔はともかくとして57ミリ型では未だに古いタミヤの九七式中戦車のキットが十分現役として通用する出来を備えているのは、重ね重ね言われることながら驚異的です。同時代の製品で言えば「ロンメル」こと旧ヤクトパンサーのキットをいまどこで目にすることが出来るか…と、そういうレベルの話。

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ファインモールドの新作キットが発売寸前となっている四式中戦車をイエローキャットのレジンモデルで見られるのも、これが最後となるかも知れません。アリマと並んで長い間旧日本軍模型ファンを支えてきたメーカーです。

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変わったところではアズムット(本文ではアズィムット表記)製改造パーツによる指揮戦車シキの作例などもあって資料的価値も高い内容です。ほぼ同様の迷彩パターンながらモデラー諸氏による塗装方法の違い、色合いの差などが明確にことなるところは旧日本軍戦車モデリングの面白いところで、やはり海外モデラーの仕上げは日本のそれとはひと味違うもの。

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現在も精力的に新製品を発売しているレジンキットメーカー、シタデルの製品もいくつも掲載されています。ふだんなかなか模型雑誌で取り上げられない改造パーツにとって、これらの記事は格好の完成見本と言えるでしょう。

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個人的にお気に入りな三式中戦車車台に四式中戦車の鋳造砲塔を載せた試験車両。この車両も古くから想像図で知られてはいましたが、こうして立体でみるとあらためて すげぇヘン ユーモラスな外観が楽しい。コンバットチョロQみたい。ファインモールドの三式中戦車車台とシタデルのレジン砲塔の組み合わせからなるこの作例も、やはりファインモールド四式中戦車発売の暁には…と思いきや、ファインの鋳造砲塔は砲塔リング径が異なってるはずで、そのまま流用できるかどうかちと不明なのです。四式だけにチト不明…

巻末には塗装&マーキングのカラーシート、イラストによる各部ディティールのバリエーション、現存する実車の細部フォトなどこれ一冊で十分様々な方向性を持った実践的なモデリングガイドとなっています。

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