新紀元社「0からはじめる鉄道模型」

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ここ数年来様々なかたちで広がりを見せている鉄道ブームの一環として、鉄道模型も様々なスタイルで広がりを見せています。新たに鉄道模型に興味を持った方にピッタリな、「鉄道模型の知識が全くない」初心者のための解説書です。

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そんな文句に釣られてページをめくるといきなりライブスチームと庭園鉄道から始まっていて腰を抜かす。鉄道模型のゼロ地点って随分高いところにあるな!撃っていいのは撃たれる覚悟のある者だけか!!

…はい、そんなことはありません。これはどちらかというと人生ゲームの「あがり」、登山ガイドブックで言うところの「山頂から眺める景色」のようなものです。鉄道模型をゼロからはじめて、いつか辿り着く境地はこの場所なのでしょう。登山ガイドブックに入山口のグラビア写真など載せるわけがないわけで、いまはまだ眺めて夢に浸るためのもの。

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目的地がどれほど険しいところでも、道具を揃えばなんとなく行けそうな気がするのは世の常です。定番製品から最新のものまで、日本の鉄道模型ではもっともポピュラーなNゲージをメインに鉄道模型に於ける基本的かつ代表的なアイテム、周辺機器などが紹介されています(本書は主にTOMIX寄りの編集内容ですね)

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大抵どこのお店でも鉄模関係ってショーウィンドーやガラス棚のなかですから、ゼロからはじめようとする向きにはケースの中身の実際を知ることも大事です。

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組み立て作業は一般的なプラモデルを作る過程とさほど変わりはありません。ですから他のジャンルで模型趣味に人生を費やしている方ならすでにゼロどころか25マスぐらいのところまで進んでるように思います。が、やはり「塗装済み半完成品」ならではの独自な処理法もありまして、ここから他ジャンルに波及出来そうな技法もあるかと。

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走らせてナンボの鉄模ですから、当然レイアウトの製作は本書のなかでも大きなウェイトを占めるクライマックス。そしてここでも「レイアウトベースキット」や「ジオラマセット」などベースから線路、建物類や樹木・パウダーに至るまでがすべてひとつにまとまった、これさえあれば誰でも簡単にレイアウトが製作できるという比較的ハードルの低いものを使用しています。

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そんなんでは満足出来ん!という人に向けては特注レイアウトの受注製作や店舗を利用して時間貸しでレンタル走行が楽しめるショップが紹介されています。編集の都合上都心部のお店に限られているのですが、模型趣味としての伝統は長い分野でありますから全国にもいろいろと、この手のお店はあるかと…思われます。「どうみても民家」なショップとかね、あったりするのよ。

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敢えて走らせずに車両単体でのディスプレイも勿論方向性としては有りでしょう。100円ショップのディスプレイケースやネット上のフリー素材を印刷した背景用紙など、イマドキの小道具が大活躍です。住宅事情やご家族の冷たい視線にさらされるというマイナスからのスタートを余儀なくされる方にはこのスタイルがおススメです。

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巻末にはささやかながら資料写真のページも用意され、本文中のディティールアップやウェザリングに関する記事を補足します。例えば戦車や戦闘機に比べて実物に接し易いのは鉄道模型のメリットの一つ、ゼロからはじめても手の届きやすいところに「本物」があるのはアドバンテージでしょう。はじめは一両の車両、ささやかなレイアウトからでも、いずれは部屋をぶち抜いて巨大なレイアウトを作りお庭のガーデニングをかき分け庭園鉄道をたしなみ、そしてライブスチームに乗客を乗せて走らせるという「鉄道模型の上がり」を大幅に乗り越して英国に移住、小さな鉄道会社を買収して車体前面に巨大な笑顔を張り付けた青い蒸気機関車を走らせる…

トップハムハット卿こそ鉄道模型趣味の行きつく先だろうと思います。登山で言えばエベレストだね!

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