海洋堂「特撮リボルテック:ガメラ 1967」
当ブログではひさびさの特リボ紹介ですがその前に、臨時ニュースをお伝えします。
南アフリカ共和国で「大群獣ネズラ」がマジで出現したそうです。ニュースサイトにリンク貼ろうかと思ったのですが、あんまりショッキングな画像が載ってたんで却下ガクブル。
いやー、よりによってガメラを紹介しようというこのタイミングでなんという因縁でありましょうかまさにシンクロニシティ!
え、そんなリアルで寄生虫に負けちゃった大映の没企画特撮映画なんて知らない?あぁ、そう…
さて気を取り直して製品紹介です。一応シリーズ随一の傑作とされる1967年製作映画「大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス」よりの立体化と銘打たれていますけれど、まあ広く一般的に「昭和のガメラ」と受け取ってよいでしょう。この昔のお風呂場のタイルみたいな平板な胸板こそガメラですよええ!どこのおうちもそうでしたよ昭和!
原型は安心の松村しのぶ造型で右から見ても左から見てもガメラです。立ちあがると意外にヌーボーとした面持ちで、緊張感に欠ける気もする。
デザインモチーフは見ての通りにカメですからして、実際のところ四足歩行がデフォルトです。現在でも着ぐるみ怪獣の四足歩行はいろいろ制約があるのに、当時にして随分チャレンジングなことだなー。バルゴンとかジャイガーとか、昭和ガメラは対戦相手にも四つ足怪獣多いのですよ。ギロンも膝ついてた印象があるなぁ。
二本の太い牙は特徴的ですが、それでもどこかユーモラスな表情。「対ギャオス」時の着ぐるみはモノクロだった第一作「大怪獣ガメラ」の時によりずいぶん人間が丸くなってる(笑)のは確かにそうなんだけど、デカい口元に比べていまひとつ視線の定まらない両目という基本のデザインラインが可愛らしい印象を与えるんでしょうなー。
つまりは昭和のオヤジ顔ですな。むかしはこーゆー人がよく国鉄の電車に乗って毎朝通勤ラッシュしてたものですが、今では「クッキングパパ」ぐらいしか生息地域が確認されていません。絶滅危惧種です。
ガメラと言えばやはり甲羅、自衛隊のいわゆる「ガメラレーダー」も部隊章はまさにガメラと甲羅をモチーフにしたイラストで、ここは外せないポイントです。ひとつひとつは荒々しい表現なのだけれど全体からみると「猫背」に見えてどこか物悲しい昭和サラリーマンのオーバーコートみたいに思えるのは気のせいじゃないぞ。試しに折詰持たせたらきっと似合うと思われ。
しっぽには3カ所の関節が設けられてよく動きます。リボルテックの面目躍如といったところか。
ヒジ関節はここだけモノシャフトで、実はこれが前述の四足体勢取らせるときに効果を発揮します。思わず唸る小さな工夫。
オプションの火炎噴射エフェクト。設定的な話をすると原爆積んだ国籍不明機の墜落事故がもとでひょっこり出てきたガメラには、特に放射能云々の能力は無いので口から出すのもただの火です。実にクリーンな怪獣で地球にやさしいですね。温暖化?知らんよそんなの…
アップで迫って火炎の先をワザと見切らせるとギニョール風味で特撮感も倍増し(笑)
そしてここからが本製品最大のギミック、飛行形態へ完全変形します!
まず腹のフタを豪快に開いてジ・オリジン版アッガイのようだなーとか変な感慨にふけります。
そして首を、なかにドンドンしまっちゃいます。製品見本の画像では一体どんなギミックなのかと思いきや、ジョイントから外して内部に入れるとゆー、実に漢(ヲトコ)らしい、その…
そんで首部分にはフタします。なんかコワいぞこれはw
スッポン鍋屋の板場ってこんな感じなんかなーと思いつつ四肢をバラバラに外して
四方向にジェット噴射のエフェクトパーツを付ければ完成の円盤飛行形態!ああ、回転台が欲しいところですねぐるぐる回したいですねー。
スタンド付属で自在に飛行姿勢を取ることが出来ます。「亀の怪獣なのでひっくり返せば手も足も出ますまい」と本当にひっくり返しちゃうガメラ自衛隊も凄かったが、まさかそこから空を飛ぶとは当時のアイデア・センスに驚嘆を禁じ得ない。自由な発想・子供の視点が大事で「大人の発想でああいう映画を作ってはいけない」とは湯浅憲明監督の言葉ですが
「どうせ取り外すパーツなんだから特に内部収納させなくてもいーよね」と生首転がして置くのは実に小賢しい大人の発想で、いただけませんねー。
そんなんだから飛行形態で尻尾の先端パーツを付け忘れるんだよな。
ううっ、すいません…ホントは尾部にちょこんと先端のぞいてるのでした。そのためのリボ関節だったと今更気がついても後の東宝チャンピオン祭り…
下半身だけジェット噴射エフェクトを用いれば、シリーズ後半の飛行形態も再現出来ます。頭部と両腕を露出したこの体勢の方がヒーロー然としてますし火薬のタイミングも取り易く無理に回転させる必要も無いと良いことづくめ。でも一番のポイントは「火薬の使用料が半分なので、予算も半分で済む」ことなんだそうです。特撮映画は計算です。
付属パーツひと揃いと。個人的な思い出を書くと幼少の頃身の周りのちっちゃなレベルでゴジラ怪獣のブームがありまして、怪獣図鑑の類も友だちの間でいろいろ読まれてたもんです。なぜだかその時自分が買ってたのはガメラの怪獣図鑑で、以来どうもこやつらには妙な思い入れがある。
しかし小学生のころから「マルコブカラッパ」なんぞを知ってるガキって将来ロクな大人になりませんね。
ギャオスの話はまたの機会に置きまして、「大怪獣ガメラ」の予告動画を貼っておきましょう。
「もはや米軍に頼んで原爆を使用してもらうしか打つ手がありません」「うむ、さっそく連絡してくれたまえ」だったか、自衛隊員がツッコミどころ満載な会話してた覚えが。ゴジラとは大違いだよな(褒めてますよ?)
「わたしに乱暴するつもりでしょう!エロ同人誌みたいに」
…ロクな大人にならなかったが、ロクでもないことを考えるのは得意になりました。