海洋堂「1/144 ワールドタンクミュージアム キット 陸上自衛隊戦車 Vol.2: 1 Box 12pcs 」
チョコタンクからブラタンクへ。塗装済み完成品だった旧WTMを組み立てキット化し、大判のシートにぶら下げて駄菓子屋感覚の製品に再構成したシリーズ第二弾です。
3車種×4成形色の計12個セットです。小売りの店頭に並んでる物を見ると露骨にクリアとクリアグリーンの2色ばかりが残っていて「駄菓子屋感覚」というのもなかなか難しいのかな。第三弾現用戦車編では成形色見直しが入ってこの2色は無くなっちゃいましたね。
小袋裏面はモリナガ・ヨウ氏描き下ろしの組み立て説明書…なんですが、シートと接合している両面スポンジテープが綺麗にはがれてくれませぬ。ちなみに実車解説はシートの方にありますけれども、児童書のノリといって宜しいかと。
87式自走高射機関砲、パーツ一覧。全て切断ずみでそのまま組み立てられるのはまさに駄菓子屋テイスト…とはいえ、製品自体は決して駄菓子屋向きに設計されている訳ではないので、結構細かいもんです。そしてよ~く見ると解るがこの個体はペリスコープのパーツが一個余剰であった(w
ブツは旧WTMとまったく同一なので当時大絶賛された谷明原型のインジェクションキットが格安で手に入る、というコンセプトでもあり。自衛隊や現用アイテムを出しているのは旧WTMのWW2ドイツ重視とは対照的な姿勢ですね。
砲塔旋回に加えて主砲の負仰も可動する87式自走高射機関砲です。
61式戦車は今回の3種のなかではいちばん組み立てが簡単かな?それでも車体側面の雑具箱が別パーツ化されてたりで小さなパーツを無くさないようご注意。
ちなみに車体はABS(履帯のみ軟質PVC)製ですけど、タミヤの流し込みセメントで何の問題も無く組めました。
各成形色のパーツを混用してサイケな戦車を作ってみるのも変わってて面白いかなー。面白いかなあ?
AH-1Sコブラ。やはり戦車と比べて航空機は巨大で、並べて解る各車各国ごとの違いが見て取れるのはこのシリーズのよいところでした。
ローターは2か所とも回転可能ですが、接着処理しています。
このAH-1Sはキャノピーを活かそうと思ったらクリア成形版がオススメ。そこだけ入れ変えるのもいいかな。
\(^o^)/ ステルス!
…いや、特に意味は無いんだ
旧WTMの頃はそれなりに盛り上がって大人買いとかしてたクチなんで、いろいろと複雑な気分になる製品ではあり。組み立て過程は簡単ですけど、例えば店先で買ってその場でモリモリ作れるようでないと真の駄菓子屋テイストとは言えないし、おそらく玩具の製品安全基準はクリアしてないサイズのパーツがあるので、明確に記述されてないけど対象年齢低めには設定出来そうもない。あくまで駄菓子屋「風味」であります。
などと軽く総括に入ってすっかり忘れてたけど、実はボーナスアイテムがあります。
90式戦車「稜線射撃」。以前はシークレットアイテムとして封入されていたものですね。ホントにキャタピラパーツが違ってるだけなんだな…
第一・第二サスペンションを下げて後方を持ちあげた姿勢です。基地祭などの展示演習で「観客に、礼」してくれるのは礼儀正しい日本戦車だけです。
説明書にも記されてますが若干主砲を下げた方がそれっぽい。簡単なディオラマを作ってみたくなるような、そんな面白さがあります。
しかし簡単に思いつくのは精々この程度である。
あらためて全アイテムならべてみます。ひとつひとつは簡単な組み立てで形になるものだけど、一日中同じものを組んでたり同じ塗装作業を続けたりすんのはしんどいだろうなーと、今更ながらにWTMブームの頃の中国工場の人たちの苦労に思いを馳せる。モデグラで取材した現場ルポが結構衝撃的な内容でしてね…
現在でもAM誌で連載記事が掲載され新作原型も発表されてはいるけれど、当時と同じような販売形態はとれるのかしら?