海洋堂「REVOLTECH:メーサー殺獣光線車」

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世間様におかれましてはラドンやエイリアンクイーンでお忙しい中と存じますが、当ブログでは相変わらずのマイペースでメーサー車のレビューであります。


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中身状態。登場作品「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」の公開年に合わせてしばしば「66式」と呼称されることもある本車ですが、これはそもそもホビージャパン誌の…ってことで文章を稼ごうと思ったら全部パッケージに書いてあった(´・ω・`)

まその、そっちは模型雑誌から派生した名称なので模型方面ではともかく映画方面ではあんまり聞かない形式名称なのです。当該記事を執筆した山本直樹氏を解説に起用した上で敢えてそれを外した製品名にこの特撮リボルテックシリーズの立ち位置、スタンスという物を感じるとか何とか。

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メーサー車(制式にはメーサー装置車もしくは被牽引車)と本体、四方向から。

海洋堂が「ロボットはフィギュアだ!」と提唱してからはや四半世紀以上が過ぎました。もはや誰しもロボットはフィギュアだと承知して疑わない。そして今また「フィギュアは車輌だ」という新しいテーゼが推し立てられる瞬間を我々は目撃しているのです。真っ正面から見るとちょっとマヌケだとか言うな!

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牽引車四面。製品は下部転輪五個のM24戦車車体ベースの大型ミニチュアをモデル化しているようです。ちなみに撮影では下部転輪六個の小型のミニチュアも用いられ、そちらは六一式戦車車体がベースになっています。

メーサー車本体・牽引車ともにリボルテックヤマグチにも見られないほど非常にカッチリした造形・シャープな仕上がりになっていて、シリーズの新しい方向性を示しているのかも知れません。

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当時の宣伝資料によると牽引車の全長は6mだそうです。モデルのサイズおおよそ6.5cmほどなのでスケールとしては1/96ぐらいに…なるのか??

ホントはここで牽引車の屋根を外して内部を見たかったんですけど、サンプルだからか当該部品のハメ込みがエっらいきつかったんで断念しますた(´・ω・`)

発表以来「リボルテックで出す必要があるのか?」などとの疑念も聞かれましたがなーに問題ナッシングですよ。日本特撮映画最高傑作のメカニックは自由自在に操演で動くキャラクター、職人仕事が産み出す色気のある可動をリボジョイントで再現するのです!です!です!(復唱)

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そのいち・パラボラ。

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そのに・砲身基部。

以上。えっ。

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いやいやいやいや、砲塔の回転もこのようにリボルバージョイント軸を利用していたりと凝った作りにはなっていますよ?

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それが車体を貫通しているように見えるのはなぜだかヨクワカラナイ…

ちなみに車輪の回転はリボジョイントじゃありませんのだ。

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しかし一番大切なのはこれ、ダブルジョイント。

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 合  体 !!

やっぱり連結してこそのメーサー車ですよぅ。こうでないとイカン訳で。

あー待て。何か足りない。何か忘れてる。何か…

あああ、そうだ!

ちょっと伊福部マーチのCDかけてくる!!ヽ(`Д´)ノ

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「L作戦マーチ」をBGMにごきげんなメーサー殺獣光線車、これでカンペキです、「殺獣」という言葉の響きがたまらん。かっこえーわー。

製品パッケージにもある通りデザイナーは東宝特撮美術の豊島睦氏でして、日本特撮史上に名を残す素晴らしい功績なのです。

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人類科学技術のわかりやすい象徴である「電気機器」が「ヘビ」みたいにカマ首をに屹立させてピカピカ光りビリビリ鳴って原初の昔からやってくるかいじゅうたおすぞーってどんだけユングやフロイトが泣いて喜ぶマシーンだよwwってすいませんいますげーテキトーなこと書きました。心理学畑の人ゴメンなさい。

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オプションの電撃エフェクトパーツ。こうしてみるとモダンアート家具のようです。磯野波平のようにも見えます。

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通常のレンズパーツと交換して付けてみる。この状態だと何だか「へろへろ~」な感じがするけど、

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敢えて見切れさせた方がどこまでも伸びているように見えるかも知れませんね。

「陸上自衛隊」の文字も厳めしいメーサー車だけれども、カタチ的には軍用車輌というより建設機械、変電所が走り回っているように見える。それはすなわち当時観客の身近にあった物であって「怪獣」という異常を日常とシームレスに繋げるためのデザインなんだろうな。そしてそれが(平成とは言わず)後々の東宝特撮では欠落していった部分なのかなー。決して「戦車」じゃないんですなこれ。ひとえにデザインだけでなく演出の問題だろうってことは重々承知してるんですが…

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更に付属の「L作戦装備4種」ってそれで片付けていいのか。パッケージには明記されてませんけど左から「放電装置」「電極装置」「小型レーザー放射機」(形状の異なる2種類)となっていて、スケールはほぼ統一されている…ようです。教育テレビのマスコットキャラのよーにも見えます。「わぁい、バトーさぁーん」とか言います(言わねー)

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こちらはがっぷりよっつに組んだサンダ対ガイラであります。双方共に譲らずのこったーのこったー(相撲か)本編クライマックスシーン、昔から有名なスチール写真がモチーフのっていまのいままで気がつかなかった!サンダ・ガイラって「山だ海ら」ってことなのか!!エウレーカ!!!

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私見的には相当な衝撃を受けつつ製品とはなんの関わりもなく。そして物語になんの関わりもなくその時突然、海底火山が!!

「サンダ対ガイラ」ってだいたいそんなお話しです。

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例によっての集合写真。今回台座が付属しないんですねー。価格的にもまた車輌だから必要ないものなのかも知れないけれど、折角特撮リボルテックのフォーマットでやるのならば在った方がそれらしいなぁ…と。

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引っ張り出したけど活用しなかったHJ誌86年9月号記事からイラストを貼ってみる。「U.W.W.」のメーサー車記事は後年ウェーブのインジェクションキットで陽の目を見ましたけれど、別冊化も再録もされなかった面白い記事も沢山ありましてね…アルファ号/ベーター号のとかね…


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それではメーサー車も大活躍の「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」予告編をどうぞ。サンダとガイラの台詞処理が「青島要塞爆撃命令」そっくりだー!

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