社会評論社「ゴム銃 オフィシャルガイドブック」

f:id:HueyAndDewey:20130508155027j:image

子供の頃、誰でも一度はぶっ放したことのある「割り箸鉄砲」を進化発展させ、広く一般的なスポーツとなるまでに昇華させた「日本ゴム銃射撃協会」、その立ち上げ人にして理事長でもある中村光児氏による公式ガイドブックです。


f:id:HueyAndDewey:20130508155340j:image

ひと言で言うとガチです。初見では表紙タイトルのキャッチーなフォントから何かライトでおしゃれなイメージを抱いたものですが、ひとたびページをめくれば単なる子供のおもちゃでは済まされないゴム銃の深遠な世界が広がっています。連射機構の数々や製作のための素材、使用工具などこれは簡単に極めることなど到底出来そうもない、かなりハードな競技世界のよう。

f:id:HueyAndDewey:20130508155856j:image

原点にあるのはやっぱり割り箸や輪ゴムという誰の手元にもあるものですから、そこに「公式ルール」を設定して公平性と遊戯性を兼ね備えた競技へと変貌させるためには並々ならぬ尽力が必要だろうと察せられます。例えて言うなら日本経済新聞の文化欄に記事が載りそうなノリです。てかむかし見たような気がしなくもないんだなこれが(笑)

f:id:HueyAndDewey:20130508160216j:image

f:id:HueyAndDewey:20130508160359j:image

ビジュアル的な見どころとしては一丁ごとに手づくりされたゴム銃の数々が掲載されたページでしょう。シンプルな構造のものから実銃と見紛うばかりの出来映えの物まで実に多彩な銃器が掲載されています。

f:id:HueyAndDewey:20130508160428j:image

f:id:HueyAndDewey:20130508160511j:image

装弾数504発(!)を全自動で連射する銃やダミーカートリッジをポンプアクションで排莢(もちろん輪ゴムを動力として)する銃など遊び心も盛りだくさん。ゴム銃自体は以前東急ハンズなどで売られていたこともありましたが、本書に掲載されているものは全て個人の手づくり、日本のガンスミス達によるものです。

f:id:HueyAndDewey:20130508160750j:image

「模型」よりは「工作」、一品物のソリッドモデルに近い世界ではありますが、さほど特殊な素材や工具を使うことなく、むしろアイデア重視で製作されているように見受けられます。まだ日本ゴム銃射撃協会が生まれて10数年と若い競技世界ではありますから、いまから新規に飛び込んでも十分活躍できる余地のあることでしょう。入門者向けには昔ながらの割り箸と輪ゴムで製作する方法、簡単な遊戯としては家庭内でハエやゴキブリ等の害虫を駆除する「狩猟」のハウツーについても記されています。

f:id:HueyAndDewey:20130508161317j:image

何より良いのはこれが実に安全で且つ銃手感覚を十分に味わえる、老若男女に向いた射撃競技だということでしょう。世間一般の認識はどうあれ、人間誰でも一度は銃をぶっ放したくなるものです。男は誰しも次元大介になりたがるし女は誰でも峰不二子に憧れるものだと断言してもよい。異論は認めない。

市販のエアソフトガンでさえ多少の危険性は(遊戯銃よりは使う側の問題でしょうが)秘めているもの、それよりもさらなる安全性に則って運用されているこの銃器については……

このブログはあくまで(株)ホビーリンクジャパンの日本国内向けコンテンツの一環として運営されているのですが、それでもこの本については海外の皆さんに読まれてほしいと考えます。具体的に言うとアメリカの、もっと絞れば全米ライフル協会の方々に是非読んでいただきたい。

キッズファーストガンってこういうものであるべきです。ものづくりの精神と技術を身につけるのは情操教育にも良いぞ。

あわせて読みたい