竹書房「レプリカントEX Vol.3」

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竹書房のレプリカントEXはフィギュア―主に美少女―を魅せるという観点では本誌と変わらぬものでありますが、主に完成見本をカタログ的に掲載している本誌と比べてフィギュアの原型製作から塗装仕上げまで、造形作業に対する具体的な How toを見せる・読ませる内容となっています。

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第三弾となる今回はグリフォンエンタープライズのすーぱーそに子を例にとり、近年急速に普及している3D作図ソフトによる原型製作の過程が詳しく解説されています。


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実際の人間とは異なるプロポーションやポージングのフィギュアであっても、基本となる身体の構成は直立姿勢で確認されます。造形粘土の作業で心材のバランスを重視することと、本質的には同じ行為なのでしょう。形状の変化や体型のアレンジをモニター上で手軽に(と簡単に言えるものでもないのでしょうが)試行できることはデジタル設計の大きなアドバンテージです。

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拡大・縮小を自由に行えるのもデジタルデータならではの強みで、従来の手作業とは違ったタイプ・異なるセンスでのフィギュア製作方法はこの分野に新しい門戸を広げる可能性に満ちた物だと言えましょう。

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製作・塗装作業はひとの手によるものです。プロのフィニッシャーによる丁寧な作業が詳しく解説されます。

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製作過程は本誌記事のみならず付属DVDに245分収録された動画で見ることも可能。レジンキットの製作について相当踏み込んだ内容の特別編集本です。

完成品が広く普及している現在では、レジンの美少女フィギュアキットを下地処理から塗装仕上げまで行うモデラーは減少傾向にあるのかも知れません。しかしそんな時代だからこそ、マスプロダクションの完成品では決して満足できない人、技術力を向上させたい人、そんな人々のためにもこのように具体的なノウハウを伝えることは重要です。既存の製品に対するささやかな不満やごく僅かでも在る向上心が積み重なって、模型業界全体を動かしてきたのですから。

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大手メーカーだけではなく、イベントの一般ディーラーとしてデジタル造形を行っている方々の記事も掲載されています。ソフトウェアも作業環境も十分個人でまかなえるもの、いまこれから造形をはじめてみようと思う方、粘土造形を不得手としている方々にも非常に参考になる内容でしょう。

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3D作図ソフトの具体的な使用法については別途専門的な解説が必要となるのかも知れませんが、特集全体を通じてフィギュア造形に対するハードルは下がっているように感じられます。ハードルの高低よりも新しい窓口が開いている、というのが正しいのかな?そしてこの技術はなにも「美少女フィギュア」だけに留まる物ではない、というわけです。

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特集ではデジタル作業だけではなく、カラー粘土による多色・無着色での塑像製作、市販のジョイントパーツを利用した関節可動やカラーレジンによる細分化を前提とした原型製作・分割など今の時流に合ったフィギュア製作法についても触れています。フィギュア造形についてのハウツー本は何冊かが出版されていますが、教科書的に「基本」で終わることが多いそれらに比べて「応用」度合いの高い参考書という位置づけか。

それはそうと武装神姫もお亡くなりになってしまった今だからこそ「銀河お嬢様伝説ユナ」は再評価されるべき。「六本木の舞」とかバブル世代のハートを直撃するキャラも多いし。

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そしてレプリカントとしては極めて珍しいことに戦車模型の製作記事が載っています、「ガールズ&パンツァー」を題に1/35フィギュア造形のオマケとしてではありますが、これぞ社会現象ってヤツです(笑)そして何が驚いたかってこのページを担当しているのはイベントなどでも有名な OVER DARD さんなんですけどオーバーダードさんが貧乳キャラ作ってるYO!!とゆーのにビックリだ。社会現象ってすごいな。

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などと驚きつつもページをめくればやっぱりぼくらのオーバーダードさんだったので安心しました(・ω・)ノ 1/35スケールでの美少女フィギュアの造形・製作ノウハウも、他とは違ったワザがいろいろありそうで興味深いのですけれど。

そのほかに昨年末~本年初頭のイベント限定アイテムや新製品についても紹介ページがあります。表紙はいつもと変わらずキュートだけれど中身は思いのほか硬派である、レプリカントEXでした。

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