船の科学館に行ってきました(その2)

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船舶を語るには自分の知識は浅薄すぎるなあ。

少しは涼しくなったでありましょうか?気を取り直して楽しい自動車運搬船と共にRORO!

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中に入ってるのはむかしのトミカだったりしますかねえ。しっかしまー随分と密度の高いことで、ミストラル級強襲揚陸艦って要するにこれでしょ?ロシアが購入してクリル列島防衛に使うとかゆーてましたけど…

だが、ちょっとまってほしい。このデッキプランは異常ではないだろうか。

よくよくみるとそれぞれの車高に合わせてぴったりフロアが貼られてます。さすがにこれは有り得ないぞ。

博物館展示にあるまじきものに苦笑しつつ、いろいろ続きを見て行きますと、

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セメント運搬船ですとか、さまざまな種類の港湾雑役船だとか、「世界の艦船」誌でもめったに写真が載らないようなマニアックな船がまだまだいくつも見られます。いまでこそ鉄道ブームだ鉄子だなんだ言われていますが、いずれ船モノブームが来た日にゃーこのような船舶模型にきっと陽の目のあたる日も来ます…来ますとも!

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浚渫工事船なんて港や河口で鎮座してるだけに思える船ですけれど、水面下ではこんなにもメカニカルでかっちょええ!優雅に湖面を進む白鳥が、足元では不断の努力を欠かさないような美しさであります。

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マニア方面差し置いて一般人気の高い現代の豪華客船であります。国産客船飛鳥(初代)と世界中で長年愛され続けているクィーン・エリザベス2世号。QE2は先ごろ来日して、横浜のベイブリッジが越せないとかでも話題になりましたね。飛鳥は、現在では2代目が就役しているのですがなんで初代は短期間で引退しちゃったんだろう?

…ちょっと調べてみました、むー、なんだかメンドーくさい事情のようですねえ。初代飛鳥が現在でもバルト海近辺で運行されてると解かって、それは一安心なんですけれど。名称変わっただけで現役の旅客船なんで「引退」じゃあないんだな。

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水産資源、食糧事情を解説するコーナーに75ミリ捕鯨砲実物があって超燃えます。

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砲尾、閉鎖機は水平鎖栓式?質実剛健な直接照準器とともに南氷洋の風雪に耐えて世界最大の哺乳類を仕留めていた人類の証しなのです。ああ腹へった、くじらたべたい。

なにを物騒なと眉をひそめる方もおられましょうが、それでなくとも人類とは物騒なものでしてな。

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ホットな話題を解説するコーナーがありました。海上保安庁がらみ、ですね。

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平時に在って海洋の安全を守るのは海保の大事な仕事です。訳もなく尖閣諸島に海上自衛隊を出せって大声を上げる人は虫歯治療にジエットモグラを使えと主張するようなもんですハイ。

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こちらのコーナーでは北朝鮮の工作船がえっらい出来良くて、船体内部のウェルドックもご覧の完成度です。強襲ならぬ奇襲揚陸艦とでも言うべき「不審船」は沈没後引き上げられて現在では横浜の海保設備に公開展示されていますが、実物は交戦による破壊痕も生々しく、全貌を知る為には模型での再現も不可欠です。

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海保コーナーではいくつもあった巡視船模型がどれも大味なつくりで、その辺はちと再考願いたいところです。海猿ブームとか過ぎて久しいけれど、こういうことってブームじゃないからさ。

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そして魅惑の旧日本海軍コーナーでありますッ∠(`Д´) これを見に来たといって過言ではありませんでありますッ∠(`Д´)

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やはり連合艦隊は男のロマンであります。WLシリーズ総ざらえといえばホビーショーの静岡協同組合ブースですけど、あれとは違う空気です。靖国神社ではここまでの規模では展示してなかったかな?やはりそことも異なる空気感でなんだろうこの愛と喜びとマニアックとなんとかかんとか、そんなところですね。よくよくみればプラモデルが発売されてないような艦船も、ひょっこり混じってたりします。それぞれの質が均一なので製品とスクラッチの差が見られない、本当にすごいのはそこんところか。

などとここまで記して今更気付いたんだけど、説明書きには1/700ってあるだけで、これがプラモデルだなんて一言も書かれてないんだよな…

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ラージサイズの戦艦三笠というのもよく見る模型ですが、当館のものはとりわけ細かく作られているように感じます。ハセガワなどのプラモデルを作る際には実物よりも参考になるかも知れません。なにしろ横須賀のだって1/1スケールのレプリカみたいなものですから…

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その隣にはやはり日露戦争当時の戦艦「敷島」が展示されています。スケール違いで三笠よりも大きな模型、塗装こそ美しいのですが各部の造作は一歩劣る、ように見える。ですがしかし、この模型の本当の価値は別の所にありまして…

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これ、当時のメーカーによる公式献納品なのです。19世紀の艦船模型がこの目で見られるという価値もさることながら、動乱の時代をよく無事に越えられたものだなと思います。模型による献納品ってフネものに限らず昭和時代までもしばしば見られた行為らしいんですけど、終戦直後の混乱でほとんど失われてるそうでして。一体だれが保管していたのでしょうか、この「敷島」は実に素晴らしい保存状態でした。

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おなじ戦艦でも太平洋戦争当時の戦艦「陸奥」 くすんだ金属色の仕上げからは積み重なった年期のようなものを感じます。

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同じく戦艦「霧島」 こちらは光沢仕上げで対照的。どちらの方にもそれぞれなりの良さがあり、やはり艦船模型は奥が深いですね。普段戦艦よりも巡洋艦派な自分ですが、大型模型にすると戦艦は栄えるなー(巡洋艦や駆逐艦の展示もあったんですが、力の入れ方に格段の差が出ました…)

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そしてもちろん言わずと知れた戦艦「大和」もありまして、この一角では最も巨大で最も細かい作り込み、最も秀でた完成度を誇るものでした。が、四面ガラスケースと照明でちーとも綺麗に撮影出来やしない(´・ω・`)ションボリズム

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みんな大好き航空母艦「瑞鶴」があったんでカメラ傾けて「瑞鶴沈みます!」ごっことかしてみる。バチあたりなことやってんなーとか、自覚はあります(汗)

…しかし日本国中の河川や沼沢地にはどれだけの瑞鶴や大和や霧島やらがゴマンと沈んでいるのだろうかは。

海上自衛隊の展示品は少なめで、模型ではイージス艦の「こんごう」とDDH「しらね」の二つがあるぐらいでした。しかし何故だか「潜水艦コーナー」なる一角がありまして、

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赤色灯に照らし出された発令所が再現されているのでした。潜望鏡をのぞき込んだり操舵手の席についたりいろいろ楽しめます、でも自分としては「閉所恐怖症の発作でヒステリー起こす係」や「破孔に木栓突っ込んでガンガンぶったたく修繕マン」がやりたい。現代の潜水艦にそんなヤツぁいねえ。いや、たぶん…

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もうちょっと開放的なところへ移動すると大型旅客船を模した「船の科学館」ブリッジなんてのもあります。船長席の快適さや水先案内人席の視界の広さよりなにより「神棚」が鎮座するあたりがヒノマル・シップと言うべきでしょう。

和船の歴史とかペリー来航のパノラマとか他にも展示物は多くあるのですが、この辺りで自分のCPUが過負荷になりそう。久しぶりに来た場所での新しい発見が多くて、いささか脳味噌がはしゃぎ過ぎたようです…

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地上70メートルの展望台まで登ってみれば、かつては「13号埋立地」だったお台場地域の全景のみならず、東京湾アクアラインの「風の塔」や先ごろ連結したばかりの東京ゲートブリッジまでも視界に捉えることが出来ます。この時ばかりは快晴の空に深く深く感謝。そしてこの光景も見納めか。

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ちと今回時間が無くて南極観測船「宗谷」と青函連絡船「羊蹄丸」は見てまわれませんでした、残念。以前見学した折の記憶を頼りにすれば、宗谷の方は観測隊員の居住区などがそのまま再現されて余りの狭さに驚かされた一方、羊蹄丸の方は運行当時の時代を再現した、いまでいうところの「三丁目の夕日」みたいな街並みが作られてマネキンとか並んでたな。

宗谷はこの後も公開を続けるそうですが、羊蹄丸は休館と同時に終了だそうで見ておけるならば今のうちです。夏のイベントの折にふれ、訊ねてみるのも良い場所かも知れません。7/20以降はおとな入場料200円まで下がってって な ん だ と !?

失礼、財布が急に悲鳴を上げました(汗

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本館脇には「マリンショップ」なるお土産コーナーが併設されていまして海ものグッズが一杯です。ボトルシップとかあります。プラモデルコーナーも勿論あるのですが、勿論のこと艦船模型しか並んでません。ステキだ…

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――しかし、ヘリである。

なんでやねん。

…というのも本館裏口を出てマリンショップへ向かう横の

ちょっと、薄暗い所に、

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ノスタルジーが爆発するような自動販売機があって、

あまつさえ、

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F-19「ステルス」がちょこなんと置かれてた日にゃ300円ぶっ込んでグルグルまわさない訳にはイカんでしょ!イカんでしょ!!

結論:

船の科学館は  テ  ラ  昭  和  館  だった。

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