AFVクラブ「1/12 小学校の机と椅子 (机x1 椅子x2)」
昨年秋の全日本模型ホビーショー(10月の東京ホビーショー)にて突然の会場発表で業界を震撼させた(か?)AFVクラブの1/12スケール「机と椅子」セットです。ドイツ海軍機雷セットと並んでインパクトの大きなアイテムでしたが、実際発売されるやパッケージデザインが大きく日本寄りになっていることに驚かされました。日本市場に向けての処置とか台湾国内での日本文化受容とか、そういう影響なのかなあ。
プラパーツは1ランナーにまとまったシンプルなもの。AFVクラブにしては極めて珍しく接着剤不使用のスナップフィット設計です。1/12スケールのアクションフィギュア用アクセサリー(でしょうねやっぱり)として、どういったユーザー層を見据えてのものかはちょっと気になります。AFVクラブ製品と言えばとかくマニアックさが際立ちますが、ジャンルや年齢など、一層幅広いターゲットを狙っての製品開発を指向しているのでしょう。以前にもたまごヒコーキ風ディフォルメの戦闘機とかありましたねそういえばね。
このタイプの製品でもエッチングを入れてくるところがAFVクラブらしさかな?日本の、特にマスプロなメーカーの製品ではあまり見られないことです(イベント限定キットなどはまた別ですけれど)
通学かばんや教科書・ノートの類がペーパークラフトで付属。表紙デザインの多くは中国語表記ですが、一部は日本語が書いてあるように見受けられます。
机の天板や椅子の座面には木目のモールドが入っているので塗装すると引き立ちそう。この時代のものってニス塗り仕上げにはなっていたのかなあ。さすがにこのタイプの机は使ったことがないので……
組み立てですが、これが一筋縄ではいきません。取説通りに進めてみたら建て付け悪くて何かがおかしい。どうもA2パーツ(机の物入れの部分)が左右に長すぎて脚の直角が出ていないようです。
そこで手順を無視してまず天板パーツA1とA2を接着し、そこからA2の左右を削って両方の脚と接着。スナップフィットでは無くなってしまいますが、簡単な構造なので接着していったほうが何かと楽です。
取り付けピンと言うかダボは大きく取られているのですが、取り付け穴との接続に遊びが無さ過ぎる印象。タイト過ぎても良くは無いので、まだスナップフィットの設計に手馴れていないのだろうなあ。
椅子の方は手順通りに組んで問題ないんですけれど、はめ込みがキツいのはこちらも変わらず……
思いのほか指先の力が必要で微妙にストレスではあります、最初からダボを削って全部接着していった方が何かとスムーズでしょうね。
設計のみならずプラの材質の問題もあるかと思われます。ただはめ込むだけでも不安になるほど白化するのは、プラスチックの粘りが不足しているためで、この辺はもちょっと改善してほしいなー。シリーズ第二弾は中学高校の机と椅子らしいのですが。
……AFVクラブのサイトっていつからこんな賑やかになったんです?
なんだかんだいって組み立て自体はそんなに難しいものではありません。ただ過剰に気軽さを期待すると足元をすくわれるような、そんな案配です。
小物関係をいくつか並べてみました。かばんのストラップをエッチングの金具に通すのはいささかコツがいりそうで、机の脇にかける場合は長さをよく見て調整してください。エッチングの定規は実にイイ感じで、ではこの円形の物体はなんだろう?メンコ…かな……??
しかしこうしてみると異様に近い距離感が気になりますね。この手の机は使ったことが無いけれど、かつての小学校の頃、学業に取り組みつつも隣の席の子を気にしていたようなそんな甘酸っぱい記憶を思い出すには良いものなのかも知れません。小道具含めてね。
そんな思い出ねーよってひとは血塗れ鉄球でも置いとけ。所詮学校は戦場だ。
ところで、
「昭和の香りただよう、懐かしい学校の机と椅子を」って製品紹介文はクレオスのサイトにも書いてあるけれど、台湾なんだから昭和関係ないよな。レトロなものをなんでもかんでも昭和扱いするのはよくないです。
いやまて、
台湾と昭和は関係があります。
だいたい二十年ぐらい。
……ひょっとしてこれアカンやつなのではΣ(゚д゚|||)