1/3200 スペース1999 ムーンベースアルファ by MPC - パート2 - ビルド
素のキットに入っている土台は、薄っぺらな真空成形された月面である。 そのため、このモデルに対しては様々な意味で不十分な土台といえる。(しかし、この模型はディテールを追求するタイプの模型ではなく、どちらかというと子どもが天気の悪い週末に簡単に組み立てられることを目的としたものであることを理解している。)気分によっては、この土台を捨ててしまい、フォーム・コアを代わりに使用する事もあるだろう。 しかし、この土台もレビュー対象のキットの一部であるからには、何とか形にしてみたいと思う.
ベースの盛り上がっている部分、つまりは建物の土台となっている部分、を使用し、真空成形シートを安定させるための2つの方法を試してみた。 左側は2液タイプのポリ・レジンを真空成形シートに流し込んで作成したもの。右は焼石膏を同じくシートに流し込んだものである。多少不格好だが、壊れやすい真空成形シートから安定した土台を作成することができる。
全ての真空成形シートから土台を作成し、アンダーコートをかける前に、合わせた隙間を石膏で埋める。
そこから先は、殆ど作成する部分は無い。 (^_^;)
塗装に関しても同様である。 殆ど白か灰色しか塗る色がない。 私は多少ひるんでいた。
しかし、私は下塗り/上塗りのシェーディングを試して見るという口実をえて、私が必要としていた「チャレンジ」を手に入れることができた。 実際の建物がグレー/オフ・ホワイトであったとしても、(月面での直射日光を再現するための)強力なライトで照らされた場合、実際の色よりもより暗い印象となるが、これを塗装により再現するというチャレンジである。
一度そのような印象を持ってしまうと、実際の建物は白であると理解していても、それが全くの誤りであるように思えてしまう。
次は、プレ・シェーディング(影の下塗り)工程だ。
模型の背景にCitadel Nuln Oilを塗り最も濃い影を付けてゆく。 その後、建物の角や高くなっている部分にエアブラシを使い、白色を載せてゆくことで陰影を際立たせてゆく。 その後24時間乾燥させる。
乾燥後、影をさらに強調するためペンでインクをのせてゆく。 通常、この作業にはエアブラシを使うが、最も細い状態に絞った設定でもディテールを覆い隠してしまう。 しかし、ガンダム用マーカーペンの細いものであればこの用途に適切であり、必要なプレ・シェーディングの全てをこれでまかなうことが出来た。 一旦、最終の(うすめられた)上塗りを追加している。
上塗りには、タミヤ ライト・グレーをX20薄め液を70%塗料を30%の割合で混合した物を、月面含め全体的に薄く塗っている。
ハイライトには、タミヤ ホワイトを、光る部分にポスト・シェーディングとしてのせ、土台(月面)全体にグレアを表現するため、ちらしている。 これが実に効果的に働いた。
私はこのキットに対して、いくつか私自身の自由な解釈を取り入れている。 白状すると、実際のシリーズではトラベルチューブ(建物をつないでいる通路)に明かりは付いていない。 しかし、私はこのキットの色合いにもう少しコントラストが必要だと感じた。 明解ではないかもしれないが明かりがともることで、さらに強いコントラストが生まれ見栄えが良くなったと感じている。 更に付け加えると、これらのチューブは実際のシリーズでは、ただの四角い棒ではなく、半球体でもない。 何度かこのチューブを作り替えたい衝動に駆られたが、これはキットのレビューであるため、素のキットの状態で組み上げるべきであろうと言う思いと、このままでもそれほど悪くは見えないということから、素のままにしてある。
最後に、確かにこのキットはどう解釈しても「素晴らしい」キットではないかもしれない。 しかしスペース1999のファンにとってこのムーンベース・アルファ のキット以外に入手かのうなものは無いのである。
昔の人は上手く言ったものだ。「空気が美味いかって?空気以外に呼吸するものがないのに、なぜそんなことを聞く?」
私はこのキットを購入して本当に良かったと感じている。
ローボーダズ。