BEEMAXの「空飛ぶレンガ」はカーモデラーの夢と希望を乗せて飛ぶ

今日は個人的に超大好きなメーカー、BEEMAX(取り扱いはアオシマさん)から「ボルボ240 T」を紹介します。ワタクシが興味あるカーモデルは日本国内のツーリングカーレースなんです。これは全てのジャンルで言えることですが「これがなければ◯◯史は語れない」なんてものがございまして、ワタクシ的に言わせてもらえばボルボ240は間違いなくそうした車です。でも「模型が売れるのか?」ということを考えるとなかなか製品化はしにくいんだろうなぁ〜なんてものもある。ガマンするしかなかったんですよね。
それがですよ、製品化されたわけです。というかBEEMAXさんが登場して以来、数十年間レーシングカー模型で必要だった歴史の穴がことごとく埋まっているんです。Gr,Bの240RS(ラリーカー)やTA61セリカ(これまたラリーカー)に始まって、全く予想もしなかったJTCC仕様のコロナですよ! 最強の大衆車と化したコロナはJTCC初年度チャンピオン(コロナとは名ばかり、後のGr.Aよりマシンコストは全然高い何気にスーパーマシン)。JTCCのキットはタミヤからはプリメーラやエクシブに無敵のアコード、ハセガワからはBMW318(エアロパーツが違うけど次の年、’95チャンピオン)とか出てました。サニーやらランティスやらはともかく、初年度チャンピオンマシンがなかった(チェイサーもないけど、まぁ、あれだ、あの頃はもう…ね)。ちょっと脇道で熱くなりすぎた、続きは「カリーナ」で書こう。話をもどします。というわけで、ボルボ240ターボを見ていきましょう(今日はみなさん読むの大変だぞきっと。とっちらかった文章1/3に削ってこれだもの)



▲ヨーロッパのツーリングカー選手権どころか世界中のレースで早かったボルボ240。箱絵は「マカオ国際レース」が描かれています(後ろを走るローバーも模型不遇車。助けてあげてBEEMAX)


▲パーツはこんな感じです。タイヤはもちろん軟質素材です


▲いや、こんなハコハコしい車が早いわけがない…というサイドビュー。あまりに四角いからか当時は他のチームとかに「空飛ぶレンガ」なんて愛称がつけられました。ちょっとモサ〜としてますが、ターボチャージャーが付いたエンジンはパワーがあって、しかも車重はおよそ1000kgと軽量。まさにゼブラからゼブラへと飛ぶように走ったそうです。車作りにはトム・ウォーキンショウも噛んでるしで外見に合わず遅いはずがない要素しかないマシンです






▲BEEMAXは当初のキットでは塗料が乗りやすい足ずけのためか、表面がザラザラしていたんですが、このザラザラ消すのに一苦労なんてことも。このキットはツルツルですね


▲車内もちゃんとレーシングカー仕様です(あたりまえ?でもないのよこれが)。プレスの跡など実車の取材もしっかりしているようですね


▲ブレーキもちゃんと前後で作り分けられてる(あたりまえ?でもないのよこれが)


▲コンソールもちゃんとしてますね!シートの形状もいい感じ


▲ロールゲージはある程度一体になってます。パイプのつなぎ目もちゃんと再現してるしいうことない出来。窓が広くて結構目立つからディテールがしっかりしているのは嬉しいですね


▲窓はまとめて裏から…ではなくおもてから、ピラーの溝に合わせて貼るのがBEEMAX流。接着剤のはみ出しだけ気をつけたいところですが、裏から貼るタイプは窓ガラスが妙に引っ込んでいたり、またパーツの形状上部分的に歪んだりなんてことが少ないと思います。このキット見るまで後ろも窓に熱線入ってるままなの知らな(気がつかな)かった


▲デカールは’86マカオと富士インターテック優勝車の2種類。マカオの方は「マカオのカー用品店グループ」がスポンサー。インターテックはボルボワークス(ヨーロッパ)。ワタクシ的に胸アツなのは’85インターテックの車検ステッカーおそらく地球で初めてデカールになったこと。これでスタジオ27のデカール使ってSTPハルトゲ635をですね…また脇道に行きそうなのでやめよう。当時の日本のツーリングカー選手権は例えばレース場に持ち込むタイヤの数とかひとつとっても、今ならちょっとお金持ちのプライベーターぐらいだったりして草レース感がちょっとある感じ?(ドライバーは若かりし頃の鈴木亜久里さんとか超トップクラスだったけど)。ポカポカやってたら、’85インターテックでボルボワークスがタイヤセットだけでもパドックにうず高く積んでテストしたりしているのを見てその後にかなり影響しているっていったりする人もいます。ね?ボルボって日本のツーリングカー史にも欠かせないでしょ?ほんと速くて強い車だったんですよ(ちなみにインターテックはよく年もボルボが優勝)


▲フロントグリルのボルボのシンボルマークは特殊な金属っぽいデカールが用意されてます。「フロントグリルにモールドしといたけん、あとは自分で塗りんしゃい」と言われるより各段に綺麗に仕上がる


なんか、キットの紹介だかメーカー紹介だかワタクシの趣味の世界をぶちまけただけだかなんだかわからないようになっちゃいましたけど、「プラモひとつで熱くなってんな〜」なんて読んでいただけたら幸いなのです。ほんとこんなに熱くしてくれるメーカーはそうありませんからね。同じ時代に生きててよかった。おかげでまだまだこれからも車模型がおもしろい!ではまた〜




今回紹介したキットはこちら!

斎藤 仁孝

元戦車模型専門誌「月刊アーマーモデリング」誌編集長にして、現在は月刊モデルグラフィックス誌などで活躍する模型誌モデラー。戦車模型への愛と知識もさることながら、陸海空スケールキットからキャラクターモデルに到るまで全てのジャンルに精通。約1000個のキットストックを持つ生粋の模型好き。

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