AFVモデラーズパブリケーションズ「エアモデラーズガイド ウイングナット・ウイングス ボリューム1」

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第一次世界大戦の航空機プラモを世界で最も精力的に開発しているウイングナット・ウイングス社の、1/32スケールエアモデル製作のためのガイドブックです。

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来る2014年は第一次世界大戦開戦100周年を迎える節目であり、欧米圏ではすでに様々な形で盛り上がりを見せているようです。模型の分野でもその兆候はみられまして、例えば1/35スケールでルノーFT17が新規に発表されておまけに複数メーカーでバッティングしているのはよい例でしょう。ウイングナット・ウイングスがどこまでそれを見越していたかは推測の域を出ませんが、メーカー活動開始以来積極的に開発ペースを上げてきたことにより豊富な機体とバリエーションを、一層の熟成した製品内容でもって2014年を迎えることが出来そうです。

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本書の版元はその名を見ての通り「AFVモデラー」誌を出しているまさにあそこで、日本ではミリタリーモデラー層に知られた出版社でしょう。姉妹雑誌として「AIRモデラー」誌もあり本書はその別冊的な意味合いを持つものです。とはいえ1/32スケールという縮尺は戦車模型とも親和性が高いもので、意外にこの本、ミリタリーモデラーにも得るところ多いかと。

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日本のエアモデル界では第二次大戦や戦後現用物に比べてまだまだマイナーな位置にある一次大戦機の、概ねその製作上のハードルとなるであろう箇所をハウツー的に解説しているところが一番の読みどころです。木目塗装の表現法は1/35の戦車ディオラマなどでも応用できそうなものであり、

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張線のハウツーは1/350艦船とも共通する…いや、それはないか……。ともかく如何にマイナーであろうがなんだろうが胸を張って第一次世界大戦の航空機を作るべきだ作りましょう、この本はまさにそのための導き手として在るのですから!という本です。

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Vol.1ということで本書で製作されている機体は初期の製品を中心に計7機種。基本となる作業は大体どの機体も同じような作業になるのでしょうか?作る方も飛ばす方も「職人」揃いだった時代の飛行機ですね。

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羽布の退色具合やカウリング周りの汚れなどのウェザリングの表現も、WW2以降の機体とは違った手法が要求されるように感じます。違った手法を取った方が、違いを際立たせて魅せるとも言えるでしょうか。丁寧に作られたこの時代のエアモデルは、普段飛行機に興味を持たない人にもアピールする細部要素や視線誘導ポイントが多いような、ちょっと帆船模型によく似た点があります。

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このスケールならではの再現性を持つエンジンも、丁寧な仕上げと塗り分けで実に多彩な魅力を提示することが可能でしょう。

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実作を考えずただ単純に「第一次世界大戦航空機模型の作品集」として見ても、ひとつひとつの作例は観賞に値する優れたものばかり。第一次世界大戦の航空戦は日本人に決して馴染みの深いものではないでしょうが、

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その分素直に、感傷や怨嗟抜きに、飛行機の素直な形状を楽しめるのは喜ばしいことなのかも知れません。第一次大戦そのものがイデオロギー対立や人種根絶思想といった憎悪によって運営される戦争では無かったことも、どこか牧歌的な印象を感じる理由でしょうか?(無論、戦場の実態は時代を問わずに悲惨極まりないものなのですが)

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最近のいわゆるスチームパンクのブームやTVで放送されるたびに相変わらず高い視聴率を叩き出す「天空の城ラピュタ」人気など、レトロな機械に親しみを感じる層も少なからず存在するものですから、そのあたりにも何か訴求することが出来ないかな。

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そのために必要なのはやはりバックボーン、ひとつひとつの機体に背景となるストーリーやキャラクター性を付与させることでしょうか。ピーター・ジャクソン監督がイカしたWW1ヒコーキ映画を撮ってくれれば万々歳なんですけどね。主人公はビーグル犬でも可、むしろ推奨の方向で。

ここだけの話ですが実際のところピーター・ジャクソン監督が準備してるのは○○を○○○○しちゃう映画らしいです。マジか。マジだ。(噂は前からあるけれど、はっきり書いちゃうのはマナーというかルール違反でしょうねえ)

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