Toadman’s Tank Picture 「T-55A戦車CD写真集」

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紙媒体の写真集では有り得ないほどの分量を、紙媒体の写真集では有り得ないほどの低価格でお届けする「蛙男」のCD-ROM写真集。今回は世界最大の生産数を誇る旧共産圏の革命輸出トラクター、T-55Aに迫ります。

米国 Military Vehicle Technology Foundation が所有する、極めて状態の良い旧チェコスロヴァキア軍仕様のT-55A戦車に取材(一部の写真に旧東ドイツ軍のT-55AM2Bを含む)し、車両内外合わせて二百数十枚もの画像が収録されています。その特徴を一言でいえば、いや言葉ではなく写真で示す事にしましょう。その特徴を一枚の写真で示すといえばこれです!

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この画像がT-55砲塔後部のコの字型フックであることはもちろん今更言うまでも無くご理解いただけることかと存じます。1/35キットでもエラく小さなパーツで組み立て・塗装中を問わず失くすこと必至、ミニスケールでは大抵省略されるこの部分が、実物ではこんなにも頑丈に溶接されているものだということが接写撮影の大判画像で一目瞭然。普通ここまでやりません。やりたくても、なかなか出来ません。

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でもそれこそが、模型製作には必要とされる資料ではないでしょうか。普段は蓋で覆われている TPN-1砲手用暗視装置の細部、外部燃料タンクの配管、力強い溶接痕となんとまあ木で出来てるスプラッシュガード。一見すると粗雑に思える旧ソ連戦車にも繊細な、あまりに繊細な箇所があることが手に取るように良く判る。「ソ連戦車作るのはリハビリ」なんてもう言わせない。これはむしろ「ギャップ萌え」である。

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どうもかなり初期に製造された車体のようで木製スプラッシュガード以外にも車体固定機銃の穴を塞いだ後なんてのも、この通りバッチリ捉えられています。

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内部写真からは人間工学なにするものぞとでもいうべき武骨な設計思想が伝わるようです。まずデカいガワを建造することが先に有り、いかにもあとから付け足して行きましたような計器・配線類。不整地走破時の安全の為にバーハンドルが植えてあるのはわずかばかりのやさしさでしょうか?

正直60年代の戦車ならこんなもんでしょう。同時代の西側戦車だって他人のことは(まあ、そんなには)言えないはず。自衛隊の戦車なんて大概です。

でもねえ。

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即応弾がこんな無造作に配置されてる戦車でM1エイブラムスやチャレンジャーとやり合うのはいくらなんでもギャップどころの話じゃNEEE!そりゃよく炎上してた訳です。ソ連の戦車はギャップ燃えです。

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これほど優れた写真集が作れるのも Military Vehicle Technology Foundation が貴重な車両を懇切丁寧に保管・レストアされているからでしょう。公式ウェブサイトにはパンターの動画などもあり、なかなかに楽しいページです。

http://www.mvtf.org/

(3Dパノラマによる内部撮影は必見。油断してると「戦車酔い」するw)

なんだかんだ言ってT-55はメジャーな車両で資料も多いです。今更必要ないわいと思われる古兵殿も多かろうかと存じますれど、それでもこの内容とこの価格、リーズナブルさは薦められずにはいられない。むしろ手元に何もないですって新進気鋭の方には「資料のえじき」とならぬよう、注意を喚起したいぐらいの内容で旧ソ連/ロシア戦車ファンは無視することの許されない一枚ですよ同志!!!!

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しかし個人的には隣に写ってるM37自走砲がすげー気になるのだ。

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そんでエッチングは

曲がっても

よい。

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