Valiant Wings「フォッケウルフ Fw190D & Ta152」

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ヴァリアントウイングスより、高高度戦闘機フォッケウルフFw190Dとその発展型Ta152を、実機資料とモデリングガイドの観点からまとめた資料集です。(※すべて英文の内容です)</p>

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もともとは空冷エンジン搭載機として設計されたFw190シリーズの主機を液冷のJumo213A-1に換装し高高度性能の向上を図った機体がFw190のDシリーズです。本書前半では実機写真と側面図を多用して個々の試作機から生産各型ごとの機体の特徴、装備について詳しく解説されます。

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さらなる性能向上を目指し開発者クルト・タンク博士の名を冠した発展型のTa152についてもバリエーションやプロトタイプについて詳細な記述があります。複座の練習機型(S-2型)の図面というのは初めて見ました。

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カモフラージュ&マーキングの塗装図はカラー印刷で収録されていますが、いかんせん戦争末期に少数が限定的な任務に就いていた機体なので、どの機体も同じような塗装パターンになってしまうのは仕方が無いところか。無論その、一見同じように見えても細部の違いに拘ることが、厳密な考証には大事なことですけれども。

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ヴァリアントウイングスのこのシリーズを読んでいて個人的にいちばん面白いのは歴代プラキットの紹介ページです。今回も世界中でリリースされたFw190DとTa152のプラモデルをぬかりなく紹介、古くは1958年に発売されたエアフィックスから、日本では懐かしむ人も多いでしょうトライマスター、最新のボークス造形村のものまでキットの内容、個々のパーツや付属デカールについての詳細な解説や時にシビアにもなる「評決」が記されています。造形村の1/32Ta152H-1に関しては絶賛されていて、トランペッター1/24Fw190D-9との温度差が激しい(苦笑)

またデカールやレジンパーツなどディティールアップ用の製品についても別途章が設けられいますが、それぞれのアイテムが現在入手可能であるか、判別がつきかねる点がありますのでこのページについては割愛。

そして日本のメーカー数社から出ている「ザ・コックピット」版に関しては完全スルーなんだなこの本は…仕方ないよなそれは……

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作例はハセガワ、タミヤ、アオシマの 1/72、エデュアルド、ホビーマスターの 1/48、ハセガワ、造型村の 1/32スケールで記事が掲載されています。ここでも造形村のキットは頭一つ抜きんでている印象で……

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本機のアイデンティティとも言える環状ラジエーターもシャープな出来栄えです。トラペの1/24にも確か入ってるはずなのだけれど、紹介者に温度差が生じるのは自然なことであります。

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Fw190D、Ta152ともルフトヴァッフェの終焉を飾った機体として名高く、キット化にも恵まれた存在です。その人気と反比例するように実際の生産機数は決して数多いものではないので、大抵は同じ個体、同じ塗装パターンで製作されて他者の作例と比較対象され易い飛行機なのかな…とも。あまりよそ様を気にし過ぎるのも考えものではありますが。

アオシマの1/72Ta152は良い意味でアオシマらしくない、直球ストレートなエアモデルで真・大戦機シリーズのリリースが止まっちゃったときはいささか寂しかったものですはい。

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このシリーズ特有の、俯瞰図による機体解説にも多くのページが割かれています。資料の少ない機体ですから格好の製作ガイドとなるでしょう。

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実機のクローズアップフォトは当時の記録写真と博物館に現存する機体から取られています。特に後者、現存する機体は限られるので先行する資料書籍と重なるフォトが多いだろうと推察されますが、

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近年のラージスケールキットのトレンドなどを考えるに、これまでよく資料として掲載されてきたエンジンやコックピット周りの詳細だけではなく、機体内部の桁構造など従来とはいささか違った観点で資料を見ることが必要とされるのかもしれませんね。

また巻末には大判の折り込み図面が付属します、大変充実した資料本であることは間違いありません。

今週末はワンフェスですね、通例ですとレポート挙げるところですが今回は所用によりちとお休みです。お出かけなさる方は所持諸々ご注意のほど。

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