Valiant Wings「メッサーシュミット Me262」

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英国Valiant Wings社発行のエアフレーム&ミニチュアシリーズ第一弾、ルフトヴァッフェ初のジェット戦闘機を解説する内容です。

全8章からなる本書は大別して2部にわかれ、前半は実機の解説、後半はモデリングガイドといった構成です。巻末には関連書籍とキットの詳細なリストが掲載され、モデルアートの古い別冊や80年代にボークスが出していたレジンキットまで挙げているのには驚かされます。むしろ文林堂の世界の傑作機シリーズが載ってないのが不可解なレベル。

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実機解説ではMe262の開発・発展に主眼が置かれた内容で、エースパイロットやJV44などの「戦記」を期待する向きには肩透かしになるかもしれません。しかし試作機Vシリーズや試験機Sシリーズ各機の細かな仕様、コードレターや機体番号、試験飛行の様子など開発関係の詳細なデータが記されていて、そちらの方面を調べるには重宝しそう。

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量産型Aシリーズや複座型のBシリーズについての記述、更にはペーパープランに終わった計画機も図面が掲載されていますが、それらを含めても実戦配備以前の試作機と試験機のページが占める割合が高いのはちょっと珍しい内容といえるでしょう。そしてMe262開発史で避けて通れぬ道ではありますが、いの一番に必ず紹介される最初の試作機Me262V1の姿をみると笑わずにはいられない…

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実戦配備された機体の写真は既出のものが多いです。生産機数が少ない割にはメジャーな機体ですから、これは仕方がないところかな。

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カラー塗装図は美しい印刷で夜戦や複座型含めて様々なパターンが掲載されています。戦後チェコスロヴァキア空軍で運用されていたアビアS.92があるのは面白いところだけれど、これもやっぱりMe262開発史を紐解けば最後のオチに出てくる「お約束」みたいなものではある。

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モデリングガイドの部ではタミヤ・ハセガワ・レベル・ホビーボス・トランペッター各社のキットレビュー。スケールは72から32までの、現在日本でも普通に入手可能なメジャーアイテムの紹介記事です。

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博物館に現存する機体のディティール写真集はラージサイズキットを製作する際の格好の手助けとなるだけではなく、タミヤの48クリアーエディションを「ただのスケスケ模型」から「すごいスケスケ模型」へとレベルアップすることも可能でしょう。全体的にみると「世界の傑作機」と「エアロディティール」をたしてプラモ成分を増量したような書籍。とでも言えば良いかな?そんなようなイメージを受けます。

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ちょっと面白いナーと思ったのはこの斜め方向からの視点で作図されたイラストです。このスタイル、一定の形式でMe262各機の細かな仕様の違いや特徴となる識別点を示してモデリングの為の手引きとするコーナーなんですが、立体の構成って側面や上面図だけでは捉え難い要素もありますし、この透視図法には何らかの可能性を見出せそうです。たまーに戦車の迷彩パターン図などで存在してますけど。

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しかしこの章って親切なことにそれぞれの機体を作る為のベースキットも紹介されてるんですけど、具体的にどうするべきかとかそのベースキットを使用してそもそも本当に作れるのかという、実務的な記述は無かったりする(^_^;

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