タミヤ1/35 アメリカM4A3シャーマン75mm砲搭載・後期型(前線突破)タミヤウェザリングマスター付き[ペイント&ウェザリング]

前回に引き続き、タミヤのM4A3シャーマン75mm砲搭載・後期型を製作していきます。
今回は他ではあまり見られないマスキングゾルを用いた冬季迷彩の塗装方法を紹介します。

サーフェイサーを吹き、次の工程以降の塗料の食いつきを良くし、キズ、合わせ目の処理の仕上げを確認します。
砲塔の合わせ目も消え、鋳造のざらつきも表現したことで全体が馴染んでいます。

車体の基本塗装を行います。
オリーブグリーンをベースに調色し、全体に吹きます。
光の当たる部分にはこの色に白を足して明度を上げた色を吹きます。

光沢あるいは半光沢のトップコートを吹き、塗膜を保護した後、デカールを貼ります。
綿棒を転がすように空気と水気を抜き、乾燥させます。

乾燥させたら今度はデカールを守るため、再びトップコートを吹いて乾燥させます。

この工程から冬季迷彩の塗装に入ります。

「マスキングゾル改」に水を少し混ぜ、小さく切ったスポンジにしみこませ、ペタペタと車体に塗ります。
この上から冬季迷彩の白を塗ってからマスキングゾルをはがすので、”白をはがしたい部分”にマスキングゾルを塗ります。

冬季迷彩は雪の降る季節にのみ必要なものだったので、簡単に落とせるように水性塗料や石灰が使われていました。
そのためはがれやすく、時間が経つと下の塗装が見えてしまいました。
カドの部分ほどはがれやすく、反対に奥まった部分には溜まってはがれにくく、白が濃く残ります。
模型における冬季迷彩もこの点を考えながら行います。
多くはがしたいカドを中心にマスキングゾルを塗り、溝や転輪などの奥まった部分にはあまり塗らず、白い塗装が乗るようにします。
味方から判別可能なようにマーキングの周りに白は塗られなかったので、しっかりマスキングゾルを塗ります。
砲塔はハッチの内側に白が入らないようにマスキングテープで覆います。

1回目の白を吹きます。
下地の緑が透けて見えるくらい薄く吹きます。
濃く吹くとはがしにくくなるので注意してください。

コシの強い毛の硬めな筆に水を付け、マスキングゾルをこそぎ落としていきます。
このマスキングゾル改は乾いた後も水に溶け、なおかつ少し水を混ぜることで軽くこするだけで容易に除去することができるようになります。

市販されている液体マスキング剤はいくつかありますが、冬季迷彩塗装にはこのマスキングゾル改が最も使いやすいと感じました。
冬季迷彩の塗装は有名なヘアスプレーを用いたものがあります。
ヘアスプレーを塗布した後に白を吹き、水の付いた筆で白を落とすもの。
ヘアスプレーではなくシリコンバリアーを用いたものなどがありますが、どちらもこすればこするだけ白がはがれてしまい、コントロールが難しいことがあります。
このマスキングゾルを用いた方法であれば、あらかじめマスキングゾルを塗った部分のみがはがれるのではがしすぎを防げます。

2回目の白塗装の工程です。
なるべく1回目にゾルを塗ったところに重なるようにゾルを塗ります。
そうしないとせっかくはがした部分に白が乗ってしまいますから。
そして再び白を吹き、はがすと、重なって濃く見える白と、少しグレーっぽく見える2種類の白が現れました。
はがれかけの白と定着してる白が再現できました。

これで冬季迷彩の工程は終了です。

車載品を乗せて接着し、筆塗りをします。
履帯や転輪、工具類も塗ります。

フィギュアを筆塗りします。

最初に1番下の色である肌色を塗ります。
この兵士たちは手袋をしているので顔だけ肌色で塗ります。
服を塗ったら銃も塗り、兵士に持たせます。

ツヤ消しのトップコートを吹いたらウェザリングの工程に入ります。

今回はタミヤのスミ入れ塗料のダークブラウン、ブラウン、ブラックを使います。
ツヤ消しのトップコートの上からスミ入れをするとにじんでしまいますが、このにじみが冬季迷彩の白に表情を付けることに一役買っています。
はみ出たり付けすぎたと思ったら溶剤でぼかしてにじませますが、やりすぎるとせっかくの白がくすんでしまうので気を付けて。

このキットに付属するタミヤウェザリングマスターのスノーやススを使い、車載品に色を乗せたり、砲身の先にススを付けて砲撃後の汚れを表現します。

こすり付けるだけでなく、削り取ってアクリル溶剤で溶いて筆で塗ることもできます。
履帯の金属部分に塗ってみました。

フィギュアにスミ入れをした後、ウェザリングマスターのスノーを使い、凸部分にこすりつけて陰影を付けます。

次のベース製作の工程でも使うタミヤの情景テクスチャーペイントの雪”ホワイト”と土”ダークアース”を車体に塗り、完成です。
少し手を加えるだけで見栄えする作品ができました。

次回は箱絵のレイアウトを参考に情景作品に仕上げます。


今回のキットはこちら!

1/35 アメリカ M4A3 シャーマン 75mm砲搭載・後期型 (前線突破) (ウェザリングマスター付き)

タミヤのウェザリングマスターが付属されているキットは他にもあります!

1/35 アメリカ戦車 スーパーパーシング T26E4 (ウェザリングマスター付き)

1/35 ソビエト戦車 BT-7 1935年型 (ウェザリングマスター付き)

1/35 ドイツ II号戦車 C型 (ポーランド戦線) (ウェザリングマスター付き)

1/35 ソビエト重自走砲 JSU-152 (ウェザリングマスター付き)

1/35 ドイツ対戦車自走砲 マーダーIII(7.62cm Pak36搭載型) (ウェザリングマスター付き)

AFVが好きで、主に1/35サイズを作っています。ガンプラなどのキャラクターモデルも少々たしなみます。年に数回、展示会やコンテストに参加しています。同じくレビューを書いているTomoya Komatsuは夫です。静岡ホビーショーなどの展示会では夫婦で「ヨフカシモデラーズ」として参加しています。よろしくお願いします!

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