バンダイ「S.H. フィギュアーツ セーラームーン」

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バンダイ製1/12スケールサイズのアクションフィギュア、「美少女戦士セーラームーン」シリーズから主人公月野うさぎが変身するセーラームーンです。


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セーラームーン20周年の記念ロゴマークがプリントされています。高額のコスメ商品が展開されたのには驚きましたが、考えてみれば「メイクアップ」するのはこのシリーズの根本的な中核でしたね。新作アニメはニコニコ動画で配信されるとかでどんな内容になるんでショ?

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ブリスター状態。フェイスパーツが5種類付属するのは「初回限定版」の特典なのですが、市場では現在も潤沢に流通しているようです。夏ごろにはメーカー側がずいぶん力を入れてキャンペーンしていましたし、転売と高騰を避ける狙いもあったんだろうな……

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全身スタイル、前後から。シリーズが続いていくごとにコスチュームのほうもいろいろマイナーチェンジしていったように記憶していますが、1stシーズンの基本的なスタイルです。女子高生がミニスカートに変身して夜な夜な麻布界隈を飛び回ると言うのもバブリーな時代の作品ですねぇ(遠い目)

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ツインテール部分は透明素材に着色、スカートやセーラー襟は軟質素材でコスチュームには全身に渡ってパール塗装が施されています。SHフィギュアーツでいえばプリキュアのシリーズで確立した技法がいわば「先祖返り」的に施されているわけで、ここはちょっと面白いところ。

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顔の造形・表情等は当時の作画の雰囲気をよく出しているように感じます。「女児向けアニメ」のフォーマットを完全に書き換えたエポックメイキングなアニメーションで、後年にいたるまで長い間ある種のベンチマーク、ロールモデルとなるような作品でした。シリーズが続くにつれてどんどんキャラも増えていきましたが、基本は5人の役割分担で「戦隊物」の人物構成を巧みに取り込んでいるのはさすが東映といったところです。

このアニメで人生に躓いたり生き方を捻じ曲げられた方々が星の数ほどいることは、いまさらあらためて書くこともないでしょう。コミックマーケットやワンダーフェスティバルが著しく巨大なイベントと化していった時期と、ちょうど歩調が合ってるんだよな……

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黒猫のルナと「salormoon」のキャラクター名と「月」のホロスコープのシンボルマークが描かれたスタンドが付属します。

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コスチュームそのものがアクション画稿向けにデザインされたようなものなので、各関節の可動範囲を損なうことなく幅広いポージングが可能です。

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ツインテールは硬質なので、そこだけは若干の注意が必要でしょう。左右開脚も広く取れ、スカート内にはインナーのディティールも存在しますがここでの撮影は避けておきます。デザイン・演出とも規制(自主規制)がされてないのはいかにも90年代のアニメか。まあ未だ人類が洗練されていない時代の作品なのでみえただのでかいだのと、いちいち声を荒げることもなかったか。

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紳士ならびに淑女の皆様におかれましては、公序良俗に反さないようお楽しみ下さることを願います。公序良俗に反するようなスタイルを好まれる場合は、私的空間の場においてなら、公共も秩序もあったものではないッ!

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以下、交換用の手首と表情パーツを見ていきます。両手の握り手と大きく口を開いて叫ぶ表情。

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「例のポーズ」用に指を立てた両手と、眉を寄せるやや真剣な目つき。「名乗り」のポーズなので本当は開口した頭部と組み合わせるべきなのだろうなあ。

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これまた有名な目元に伸ばした指を添えてチェケラ的なあれと、一見すると一つ前の画像と同じような表情ですが、「ムーン・ティアラ・アクション」用にティアラを飛ばした状態のフェイス。「演説する春香閣下」みたいに見えるのは何故だ。

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ウィンク笑顔は初回限定の付属品です。本来はこれが「目元に指先を伸ばす」手首とセットになるものでしょう。ムーンスティック持たせるのは、まあ的外れでもないでしょうが……

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泣き顔もやはり初回限定のもの、ムーンスティックは水晶の有無で2種付属するのにスティック持ち手が右手にしかないので泣いているわけではないです。

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劇中でも印象的だったうるせえ!ピザぶつけんぞうわぁぁんってそんなシーンありませんがな

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本当は「ムーン・ティアラ・アクション」用の手首パーツでした。表情含めて通常版でも必殺技を再現可能と言う按配です。通常版が存在するかどうかはともかく。

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リアルタイムで放送されていた当時から、公式の女児向け玩具以外にレジンやソフビのフィギュアなどハイターゲット向けの製品は多かったものですが、20年の時を経てまたアクションフィギュアの技術的進捗も受けて、ようやくユーザーが自由自在に楽しめるセーラームーンの良く出来た人形が手に入る。小道具も充実している昨今ですからどんなシチュエーションでも好きなだけウエルカムでありましょう。

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……泣き顔は多用されると思います、紳士的な意味で。

どうやらこのパーツはマーキュリーなどシリーズ他のセーラー戦士にも使える模様なので。ピンポイントで火星や木星しかいらん!というようなひとでも、ひとつもってるといろいろ遊べるかとは思われます。まーなんだよね、当時見ていた人間を鑑みるに、ムーン派よりもマーズ派やジュピター派のほうがいろいろ拗らせていたように思うんだよな……

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ビルドストライクガンダムを隣に立たせて「…母さんです」とやるのがイマドキなのでしょうけれど、ダンナの方しか手持ちがない。考えてみれば古谷徹つながりでもあるのかこのコンビは。いやむしろのび太を立たせてママも若い頃はバブル世代でイケイケでしたとかやるべきでしょうか

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以上SHフィギュアーツセーラームンでした。比較的シンプルなデザインながらも、身体各所にフェティッシュな記号・パーツが置かれて視線を誘導するような構成になっているのは20年前とは思えぬ洗練さで、追従して登場した同種の美少女アニメとはやはり一線を画するものかな。「ナースエンジェルりりかSOS」とか「赤ずきんチャチャ」とか「東京ミュウミュウ」とか「マーメイド伝説ぴちぴちぴっち」とか「愛天使伝説ウェディングピーチ」でありますとか、セーラームーンとプリキュアの間にいくつも生まれては消えていったキャラクターたちを一堂に会してステゴロさせる「スーパーマイナー美少女アニメ大戦」とかどうでしょうか。

もちろん優勝はこのひとで。

よかったさすがに在庫はないか。安心した反面一抹の寂しさもあり……

実写版セーラームーンについては忘れろ。

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