レジン改造パーツの文化は終わってしまったのか⁉︎

まさかこんなに何でもかんでもプラスチックモデルになるなんて思ってもみなかった頃、レジンキャスト製のバリエーション改造パーツが多く製品化され、「ツウ」は好んで挑んだり返り討ちにあったりと楽しんだものです。プラモデルを作るだけでは味わえない達成感と、誰でも持ってるわけではないコレクション性といいましょうか?独特の面白さがあったんです。今でもレジンパーツはありますが、大概は排気管をもっとシャープなものにするためだったりコクピットをより精密にするためだったりと、プラスチックモデルをブラッシュアップする目的のものが多く、そもそもB型をF型にしちゃおうといったものはあまり目立たなくなってきました。ではそういった文化は無くなったのかというとそうでもない。少なくはなりましたが、ちゃんと残っているんですよね。今日はそんな「あの頃感じた面白さが」が詰まったようなレジン改造キットを紹介したいと思います。

▲紹介するのはSBSモデルの「1/48 イスパノ HA-1109/1112 K.1L トリパラ改造セット (タミヤ用)」です。対戦中にBf-109のパーツをもらって(エンジンが来なかったらしくエンジンは自国製)スペインで作られたんですが間に合わず、戦後完成したという機体です。イスパノメッサーとも呼ばれたりします(映画「空軍大戦略」や「メンフィスベル」のメッサーシュミットですといったほうが早いかな?登場したのはバリエーション違い(エンジンがマーリン製)のHA-1112-M1Lなので、このキットとは違います)


▲付属するパーツはこんな感じです。タミヤの名作キットBf-109G-6のエンジン、カウリング、プロペラ部分をコンバートするわけです


▲キットにはデカールも付属します。ドイツ軍仕様もありますが、そんなわけない。イスパノメッサーは世界の航空博物館で多く展示されているようですが「メッサーシュミット」として強気(?)の展示がされていることも多いようで…マーキングはそんな機体をモチーフにしているのかな?


▲ベースキットがタミヤの名作…はいいのですが、ということはディテールもそれなりに合わせてくれないといけないわけで、大丈夫?ってみてみたら、ふむ、モールドはかなり繊細ですし良くできてる。これならベースキットに負けてしまうこともないですね!


▲特徴的なノーズ下の吸気口もいい感じ!レベルの高い改造パーツだということがわかります


▲エンジン違いますからね、当然排気管も違います。排気口も開口していますね


改造のベースとなるプラスチックキットが新しくなってるのも面白いですね。なんか「改造パーツの世界も合わせて更新してます感」がある。というわけで、たまにはこんなモデリングも楽しいかもしれませんねという提案でした。ではまた!


今日紹介したキットはこちら!

元戦車模型専門誌「月刊アーマーモデリング」誌編集長にして、現在は月刊モデルグラフィックス誌などで活躍する模型誌モデラー。戦車模型への愛と知識もさることながら、陸海空スケールキットからキャラクターモデルに到るまで全てのジャンルに精通。約1000個のキットストックを持つ生粋の模型好き。

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