なんかホッとするプラモデル

「模型はめちゃくちゃ儲かる!」なんて言われていた時代の尻尾の方、電球が切れる間際にひときわ輝くそんな時期だったのかな? その時の流行りや注目されているものが模型になる時期がありました。「東京オリンピック国立競技場」や「リトラクタブルヘッドライトの自転車」「ラジカセ」(もちろん音は出ません)に「ダンプ松本」と、なんでも模型になりました。ワタクシのような世代のモデラーはギリギリその世界観を味わってるんです。なんでも模型になるのは当たり前。プラモをいじって「ほう、スペースシャトルの中はこうなっているのか」なんて知ることもこの遊びの醍醐味でした(いつの間にか資料やら見るようになってしまったけど)。

今回は「なんでも模型になっていた黄金時代」そんな感じがする“プラモ”を
フジミさんのキットに発見したので紹介します。それは…



「大浦天主堂」です。
日本最古の現存するキリスト教建築物で世界文化遺産のプラモデルです。冒頭的な言い方をするなら「世界遺産ですからね。プラモになってて当然です!」と言いたいけどね。
このキットがと言うより、この歴史遺産シリーズが素晴らしい。



▲お台座もあるしシールもあるのが嬉しい。小学生低学年ぐらいのお子さんでも頑張れば作れるかな?


▲頑塗装とかして作るとこんな感じにもすることもできます ※写真はメーカー製作例


プラモを通じて文化や歴史を感じることができるのは、同じプラモ作りでもちょっぴり豊かになるような? なので子供たちに作って欲しいし、ワタクシのようなオジさまにも、冒頭で書いたように、子供の頃に楽しんだプラモ遊びの残り香みたいなのを感じられて、なんだかホッとするプラモだなぁ〜と。

その時代を模型にするってことならタミヤのTS050も素晴らしい製品ですね。ファンの感動と模型発売時期のシンクロ率がお見事ですとしか言いようない。そういえばスペースシャトルもタミヤが一番最初のキットだったような。実にタイムリーな製品で発売日に買ってもらったもんなぁ…時代といえばハセガワのMig25とかね、バンダイのスカイツリーだって時代を模型にしたのよね…
と、この話は長くなりそうなのでまたの機会に! ではまた明日〜


今回のキットはこちら!
大浦天主堂 フジミ模型
札幌市時計台 フジミ模型
登呂遺跡 フジミ模型

斎藤 仁孝

元戦車模型専門誌「月刊アーマーモデリング」誌編集長にして、現在は月刊モデルグラフィックス誌などで活躍する模型誌モデラー。戦車模型への愛と知識もさることながら、陸海空スケールキットからキャラクターモデルに到るまで全てのジャンルに精通。約1000個のキットストックを持つ生粋の模型好き。

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