けんたろう所長のプラスチックモデルラボラトリー【グレーにだって個性はあります】

けんたろうでございます。突然ですが、この色って何色ですか? たぶんみなさんグレーっていうと思います。実際ほとんどの名前がグレーです。グレーって、世の中ではかなり広い範囲でグレーって言います。ですが、模型の世界だと同じグレーって言っても千差万別で、これがひとつ間違うだけで完成品の見栄えが格段に異なる結果になったりするのです。



▲作ったことがある人ならすぐわかるのですが、F-16は4つのグレーが使われています。機体中央のグレー、機首のグレー、胴体のグレー、レドームのグレー。こう書くとアホっぽいですが、正式名称で書くとFS36118、FS36270、FS36320(写真のレドームは近年のもので濃いグレーですが、今回はハセガワ製F-16のリファレンスである薄いグレーを書いています)、FS36375です。当たり前ですが塗料自体が異なります


▲チップにしてみると一目瞭然、けっこう有意な差のある”グレー”だと思います。GSIクレオス製のMr.カラーだと、305番~308番の並びで覚えやすいですね


▲転じてロボットの関節色や武装などの色を思い浮かべてほしいのですが、無難なグレーとしてニュートラルグレーとか、そういう色があります。ですけど、色にこだわるならこのグレーを見直してほしいのです。なんでもニュートラルグレーにすると、武器の色と関節の色が同じになります。これではもとの成型色と何ら変わりなく、塗った効果も微減です。まずは武器と関節の色を変えましょう。これだけでも塗った感が出ます


▲グレーを単純に明度だけで捉えると、濃い色は重そうで明るい色は軽そうというイメージになります。なので、バズーカなどの大きな筒モノは重そうなグレーにしてあげましょう。
こういうとき役に立つのが、Mr.カラーだと305番です。ニュートラルグレーよりは少し濃く色があり、重そうなグレーです。もっと濃くしたいという場合330番などもギリギリグレーと黒の境目にいます。40番ジャーマングレーは黒扱いでいいと思います。逆に軽そうなグレーは306番です。多色で塗り分ける武器だったりする場合は軽い側の色に使うと濃い色とケンカしません


▲307番、308番はちょっと特殊で、青みがあるグレーになります。明度で言う重そう、軽そうの外にある”色のある”グレーです


▲青のグレーは73番。青系のロボットなら困ったらこの色を使っとけ、みたいな便利色です。あと飛行機のコクピットも困ったらこの色にしちゃいます……。エアスペリオリティブルーとの比較で青いとわかるかと思います


▲赤のグレーは難しさ倍増です。このあたりはニュートラルに近いですが、主張しすぎない色のあるグレーになります。ただし赤系で関節色はもっぱらウォームグレーを使います


▲ウォームグレーってなんだよ! ってなるあなた。私もそうです。単純にブラウンとか、そういった色の総称という感じで渡しは理解しています。うちのウォームグレーは、もっぱらダークアースにホワイトを足したものを使っています。ウォームグレーもいくつか持っておくと非常に心強い味方になります。30MMのアルト[イエロー]はこっそり関節色がブラウン、つまりウォームグレーなんですね。さすがです


こんな感じで、ざっくり濃さや色の方向でグレーを分類しておき、全体の色を見たり、関節でこの色を使ったからこの色、という感じでチェンジしたりと、臨機応変にグレーを変えています。ざっくりと持っておくだけで、さり気なく完成品の良さを下支えすることができるのがこれら便利なグレーたちです。ぜひどうぞ。




けんたろう/模型総合誌、月刊ホビージャパンや月刊モデルグラフィックスで絶賛活躍中。模型の腕前も確かながら「作品を残す作家タイプ」というよりも「模型を作る楽しさを探求し、発信するタイプ」のプロモデラー。

あわせて読みたい