応援したくなる模型メーカー“自国愛の塊”タラングス
プラスチックモデルメーカーも商売ですから、当然製品が売れた方が良いに決まってるんです。製品化するまでのコストだってバカにならないし。だからアイテム選択は慎重にってマーケットリサーチしたりというのが、だいたいどこのメーカーも頑張りどころだったりするんですよね。なるべく多くの方に望まれているアイテムをと…
そこで、聞きますけど「サーブ B17A」って知ってますか? 「サーブ」は知ってる方が多いと思いますが、B17Aは?
そのB17Aはスウェーデンが先の大戦中に作った急降下爆撃機。…なんですが、主だった戦果もなければ武勇伝みたいなのもない。戦争終了後はジェット時代到来の予感とともに全部エチオピアとかに売却してなかったことにしてる感すらあるマイナー機といっていい代物。
急降下爆撃機だから降下速度を調節するダイブブレーキという機能が必要となるんですが、この飛行機は脚柱カバーをそれにしちゃおうってことで、急降下中は脚出すというチャーミングな機体です。でも軽い逆ガルの主翼に長すぎず太すぎずの胴体をマッチングさせた機体は、なかなかバランスが良く美しい形状ですね。
ここからが本題です。その「売れるかどうかわからない」飛行機を製品化しようって猛者がいるんです。それは「タラングス」というスウェーデンに本社を構えるメーカー。同社はこれまでもスウェーデン空軍機のキットを次々に製品化してきました。確かにスウェーデンはずっと自国で戦闘機を開発してきましたから、例えば西側の「F-4」とか「F104」とか使ってればデカール変えで対応できたでしょうがそうもいかない。なのでマイナー機となるとキット化は絶望的…だと思われていましたが、さすがはタラングス。自国愛に溢れるこのメーカーは「うち、スウェーデン空軍機は全部やったりますねん。そう思とりますねん」という勢いで、ついに(?)B17Aを、しかも1/48という結構なボリュームのキットを製品化しちゃったんですよね。その勢いと自国機愛には本当に賞賛を送りたい!
信念みたいなものがあって、その信念が時に商売の域を超えてしまっているのでは?なんていらぬ心配したり。でもそういうメーカーは応援したくなりますよね(ワタクシ達ユーザーも当たり前のものばかりじゃ飽きちゃうしね)これからも頑張れタラングス!