今さらですが精密過ぎる!? フライホークの艦船模型は別次元!

▲キングジョージクラスがフライホークから製品化された時は嬉しくて死ぬかと思った


今更ですが、もしもご存知ない方がいたら、すごくもったいないのであらためてお伝えしておきたいことがあります。…それは
「フライホークの艦船キットはめちゃくちゃ凄い仕上がりだ」ということ。
以前書きましたが、たま〜に、ジャンルを超えて「ドキッ」とさせられる模型は出てくるもので、まさにフライホークの艦船キットも間違えなくそうしたもののひとつ。何と比べて別次元かといえば、他のメーカーが製品化している艦船キット全般と比べてということかな。聞きかじったようなことを言うと、プラモデルは金属の塊「金型」を作り、そこにプラスチックを流して成型するのですが、あまりパーツが細かいと型から外すときに機械任せってわけにはいかず、一枚ずつ手で剥いだりすることになる。数多く作るものはそれじゃあ困るってんで、機械で押し出しても破損しない落とし所を探して金型を作るんです。また、あまり緻密にしすぎると、金型が破損し易くなるなんてことも聞いたことがあるような? メーカーにいた経験も、金型開発に携わったこともないので、あくまでも「聞きかじり」ですけどね。そんなことが頭の片隅にあったので、一番最初に発売された1/700の「イギリス海軍軽巡 ナイアド」を見た時はそんなワタクシが思っていた金型の常識は一切無視! その精密感の塊みたいな内容に衝撃を受けました。それが数年前ですから、現在はさらに精密感にも磨きがかかり、どんどん凄みを増してきている感もあります。
ということで、すでに知っている方は、「そうそう凄いんだよ〜」と。ご存知なかった方には、今回その超絶さを「HMS プリンス・オブ・ウェールズ 1941」を例にお伝えしていきたいと思います。



▲どうです?すでにスケール感がわからないと言うか、本当に1/700スケール?って感じじゃないですか?そうですフライホークの製品は精密感が命なのです。
パーツ数は多いので、気軽にと言うモデルではないでしょうね。
その代わりディテールアップは全く必要ない再現度となっています


▲戦隊上面パーツ。パーツは全体的に「ダルい」といった部分が全く見受けられません。
木甲板のディテールも秀逸!


▲パーツの一部には一体化している部分もありますが、
ちゃんと上下左右前後とすべての面にモールドが施されているんです。
煙突も穴が空いてますねー


▲さらにクローズアップ! ブルーワークの「折り返し」もモールドされてます。
これ再現しようと思うと大変なんで嬉しいですよね!


▲艦底は「フルハル」と「喫水線」の2種類から選択できます。フルハルのパーツは「横板の梁」が入れてあるのは組みやすく、また歪みにくくなる配慮でしょう、何気ないことだけど偉いです。喫水線パーツ用に「板おもり」も付いてます(写真一番左)


▲艦載機の再現度も抜かりありません。ちゃんとウォーラスってわかるもんね。翼はたたんだ状態と展開した状態を選択できるのも嬉しいですね(艦の中央部分にある艦載機の格納庫も開閉状態が選択できます。翼をたたんで収納されているけど、格納庫のシャッターは開いている、なんてことができるわけですよ。たまんないね)


▲フライホークのキットにはオマケがついているのもあります。立体エンブレムが入っているものや、さらにディテールを追加するためのエッチングパーツ、金属砲身などがセットになったものなどありますが、これはだいたい「早い者勝ち」ってレベルで市場から消えますね(手持ちのキットはエンブレムが付属。ピンバッチ…ではなく、作品を飾り台に乗せるなどした際の装飾用で裏に2箇所のネジ穴があります)


どうですかフライホーク? パーツ数も多く、また細い部分があったりと、とても繊細なので「気軽に作ろうよ〜」と言うキットからは真逆に位置するかのような内容ですが、パーツを指定された場所に正しく組みつけていけば、最高の再現度が約束されている製品だと言うことは感じていただけたかなと。



▲フライホークといえば、艦船から少し遅れて始まった1/72AFVモデルも今回紹介した船模型と同じノリで凄いのでこちらも要チェックですよ!


問題は他のメーカーの艦船模型と解像度が違うので並べられないってことかな? HGUCのコレクションの中にひとつだけRGが紛れてる感じ?それと、製品化していものに偏りがあること。偏りとは、わかりやすく言うと「ほとんどイギリス海軍」なんです。ドイツの「ビスマルク」とかありますけどね。「金剛」「金剛型」も新造時なんだから英国艦だし。ワタクシは英国艦しか興味ないからゆえの「推し」なのかもしれませんが、模型的にもここまで精密感に特化したキットは他にないってくらいだと思いますので、ぜひチェックしてくださいね。
ではまた明日〜!

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斎藤 仁孝

元戦車模型専門誌「月刊アーマーモデリング」誌編集長にして、現在は月刊モデルグラフィックス誌などで活躍する模型誌モデラー。戦車模型への愛と知識もさることながら、陸海空スケールキットからキャラクターモデルに到るまで全てのジャンルに精通。約1000個のキットストックを持つ生粋の模型好き。

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