トランぺッター1/35 Russian T-14 Armata MBT ペイント&ウェザリング
前回に引き続きトランぺッターのT-14を制作していきます。
塗装の前にエッチングパーツ部分にメタルプライマーを塗ります。
塗らないと少し引っ掻いただけでも塗膜がはがれたりすることがあるので、金属パーツにはメタルプライマーを塗りましょう。
缶スプレーなどで持ち手を作ったら下地のサーフェイサーを吹きます。
このとき塗装面にキズがついていないか、合わせ目やパーティングラインの処理残しがないか確認します。
もしキズや処理が甘い部分があれば削ったりして整え、またサーフェイサーを吹いて確認します。
キズ等の確認を終えたら基本色の塗装を行います。
T-14は1/35にしては大きく、さらに凹凸が多いので調色する際は量を多めに作ることをオススメします。
実車は明度の低いロシアングリーンですが、ここでは明度の高めな緑を作りました。
多少、グレー味と青味を増やした緑が良いと感じたので、タミヤアクリルのオリーブグリーンとフラットホワイトのほかにミディアムブルーを少しだけ加えてみました。
模型において実物より明度の高い色で塗装することはモデルに空気感を持たせ、リアルに見せる効果的な方法です。
ビルや山など、遠くに小さく見えるものほど青味がかってかすんで見える見え方を再現する「空気遠近法」という絵画などに用いられている技法があります。
明度が高い・青味がかっている=遠い・大きいとなるので、小さいモデルでもより大きく見せる効果が期待できるのです。
明度の高い色で塗装する理由は他にもあり、同じ色でも小さい面積だと目の錯覚で色が濃く見えるので、実車と同じ色で塗装するよりも少し明度の高い色で塗装した方がリアルに見えるのです。
他にも濃い色のウェザリングが映える、退色の表現ができるなどのメリットがあります。
デメリットは色が薄くなることで重量感が損なわれることですが、これはサビなどのウェザリングで鋼鉄らしさをカバーできるので問題ありません。
次におなじみの塗装技法、カラーモジュレーションを行います。
光が当たる部分に基本塗装で使った色に白を足してより明度を高めた色を吹きます。
これでCGのような面ごとの色の変化や見た目の情報量を増やすことができます。
このとききれいなグラデーションを吹くコツは、エアブラシを上下左右に行ったり来たりするのではなく、くるくると円を描くように吹くことです。
細い線などはこの限りではありませんが、グラデーションだけでなく単色の塗装でもなるべく小刻みな円を描くように吹くことで色ムラを抑えることができます。
このT-14はパネルラインや凹凸が多いので、これを生かしてより陰影をつけるためにシャドー吹きをしました。
カラーモジュレーションと組み合わせることで明暗のグラデーションが引き立ちます。
色はタミヤアクリルのオリーブグリーンにスモークを混ぜてみました。
乾いたら次に行うデカール貼りのため、ラッカーのツヤを吹いておきます。
デカールを貼る面にマークセッターを塗ります。より密着させるためです。
空気が入ったままでいるとはがれたりデカール表面が白くくもるなどの原因になります。
デカールを貼る前にラッカーのツヤを吹くのもこれを防ぐためです。
デカールを貼ったら上からマークソフターを塗り、綿棒で水気を取ります。
綿棒でこするのではなく、転がすように優しく、でもしっかりと水気を取ります。
完全に乾いたらデカールの保護と次の工程のウェザリングから塗膜を守るためラッカーの半ツヤを吹きます。
ウェザリング前のツヤ、半ツヤ、ツヤ消しで仕上がりに違いが出てくるので、そこはお好みで。
デカールを貼る前に転輪ゴムや履帯、ライトの中を部分塗装しました。
後ろのライトに貼ったマスキングも忘れずにはがします。
クレオスのMr.ウェザリングカラーのグランドブラウンでウォッシング。
だんだんと頭の中のイメージに近づいてきました。
小さく切ったスポンジに塗料をつけ、チッピング。細かなツブツブのサビを表現しています。
最新の戦車なので、近くで見たらわかる程度にとどめました。
この作業は楽しく、ついやりすぎてしまうこともあるのですがサビの色や多さ、粉っぽいのか凹凸などのテクスチャがついているのかで作りたい車両や年代、戦場などをうまく表現できる方法なので、いろいろチャレンジしてみるともっと楽しいと思います。
少しホコリっぽさと退色の表現がしたかったので、ミグのオイルブラッシャーのダストを使いました。車体にチョンチョンと乗せ、少しだけ溶剤を付けた筆でぼかして表情を作ります。
足回りはオイルブラッシャーを溶剤で溶いたものをウォッシングの要領で塗りつけました。
仕上げに油絵具のセピアでピンウォッシュ、スミ入れをします。
凹凸に塗料を流して際立たせます。
はみ出たところは溶剤でふき取ったりボカしたりしてリタッチします。
最後にライトのクリアーパーツを忘れずに接着して完成です!
ロシア連邦軍の最新戦車、T-14の制作でした。
実車ではすでに2020年までに同じプラットフォームの戦車、自走砲、歩兵戦闘車を2000両以上調達する計画があるようで、それらが模型化される日が来るのかどうかも楽しみなところですね。
できればアルマータ以外のプラットフォームの車両も模型化してほしいですね・・・。
T-14はとても作りやすいキットだったので、T-80やT-90といった歴代の現用ロシア戦車と作り比べて並べてみるのも楽しそうです。
今回のキットはこちら!
その他T-14戦車のラインナップは・・・