毎週木曜日は「けんたろう所長のプラスチックモデルラボラトリー」

近年バンダイのプラモデルで使われるようになった関節素材、KPS。ガンプラのマスターグレードの関節に多く使われていたABSに変わって一気に広がりました。
KPSは基本的に関節に使われるのでもっちりとしており、ヤスリなどでこすっても通常のPSより引っ張られる感覚(粘りがある感覚)があります。つまりプラスチックより毛羽立ちやすいわけです(ABSよりは作業がしやすくなりました)。今回はそのガンプラの整形などでは必要になりますKPSの扱い方、特にヤスリのかけ方を紹介します



▲ランナーには素材を示すタブが付いています(中央のPS)がKPS素材もPS
と表記されることがあります。
見分け方は使われている部分や切削の質感で判断します


▲KPSは新素材のため通常のPSやABSともまた異なる感覚があるし、合わせ目やパーティングラインの処理の仕方も違ってきます。工作の感覚が異なるところがけっこうモデラーにとっては困惑のモトでした。とくに武器は関節と同じランナーに置かれることも多く、作業が多いぶん苦戦を強いられたかたも多いのではないでしょうか


▲実際にKPSをヤスると、表面がザクザクの白ばんだ感じになります。またそれを嫌がり高い番手になると今度は削れる量が激減します。ある意味耐摩耗力を証明するような性質


▲私の場合は武器などを相手にした場合、金属ヤスリや削り量の多い紙ヤスリなどのツールで攻略しています。320番のヤスリも使います。処理したあとはザリザリになってしまうので、もう少しだけキレイにしたら缶のサーフェイサーを吹いて表面を調整します


▲サーフェイサーをあまり使わない自分でも、対KPSにおいては積極的に使います。関節に使用する場合、塗膜で関節がキツくならないように注意してくださいね


▲塗装すればこのとおり!


関節素材として一世風靡したKPS。素材が適材適所で使われるように、処理の仕方も適材適所で挑むのがよさそうですね。ではまた!




今回のキットはこちら!

けんたろう/模型総合誌、月刊ホビージャパンや月刊モデルグラフィックスで絶賛活躍中。模型の腕前も確かながら「作品を残す作家タイプ」というよりも「模型を作る楽しさを探求し、発信するタイプ」のプロモデラー。


元戦車模型専門誌「月刊アーマーモデリング」誌編集長にして、現在は月刊モデルグラフィックス誌などで活躍する模型誌モデラー。戦車模型への愛と知識もさることながら、陸海空スケールキットからキャラクターモデルに到るまで全てのジャンルに精通。約1000個のキットストックを持つ生粋の模型好き。

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