けんたろう所長のプラスチックモデルラボラトリー「完成への道」

今回はプラモデルの完成への手順その1として、戦車模型を塗装して完成する方法を紹介します。戦車模型は塗装の段取りや完成への手順が比較的組立説明図とシンクロしており、他のジャンルからすればうらやましいほどにある意味プレッシャーの少ない手順です。スケールモデルのなかでは一番とっつきやすい部類といえるのではないでしょうか?

▲まずパッケージの中身を確認しましょう。車体が上下に別れていて、タイヤのような転輪があって、それをつなぐサスペンションがあって、という構成です。おおむね組立説明図も転輪やサスペンション関係、足周りからスタートしていると思います。説明図に従って組み立てをしていきましょう


▲転輪を切り出したとき、ゲート跡といっしょに処理したいのが側面のパーティングラインです。じつは実物もゴムでパーティングラインがあるのですが、走っているうちに削れて消えます。


▲説明書に従って足周りを組み立てます。ここでなれた人だと接地性に気を使います。転輪が地面にしっかりつくかどうか、サスペンションアームにつけた接着剤が乾燥しないうちに動かして向きや位置を整えます。親切なキットだとそのあたりを調節せずともキレイに接地します


▲「戦車模型は気楽でいいんだよ、もう全部つけられるパーツは全部つけてから、あとは塗ればいいんだからさ」、僕の先輩が教えてくれたときのセリフです。そう、ここまでくっつけてから塗装でいいんです。人によっては塗り分けをしっかりしたい部分だけはパーツを別にするケースもあります。自分の場合は履帯をよく別にして塗装しています


▲缶スプレーなどのてっぺんにガムテープで粘着面をつくって持ち手にします。大きな戦車や砲塔はこれで持ち手をつけると塗装の利便性があがります。そしてドバーッと本体色を塗装するわけですね


▲砲塔の塗装は本体と別にします。戦車によっては砲塔が噛み合わないなどありますので、ペットボトルの上とか、その都度持ち手の工夫をしましょう


▲ちなみに中身付きのキットもたくさんありますが、中身を活かさない場合は一切手をつけません。エンジンや運転席があろうと、外皮があればじゅうぶんなのです。ハッチや扉を開けたりして、中を見せたいと思ったときだけ作るようにしましょう


▲全体の色は缶スプレーやエアブラシで塗装します。複雑な形状で塗り残しがないように、上や下、3次元的に見て塗装しましょう。エアブラシがあると迷彩塗装も便利ですが、本体色をスプレー、迷彩色の2番めや3番目は筆、という感じで移行してもよいでしょう


▲車載工具、いわゆるOVMを筆で塗り分けます。履帯や転輪もこのとき塗り分けます。はみ出したら反対側の色でリタッチしてあげましょう


▲本体の塗装と塗り分けが終わったら、スミ入れをします。最近は便利なものでスミ入れ用の塗料などが出ているので、そういうものを活用しましょう。基本はグレーやダークブラウンでオーケーです。くぼんだ部分に筆を置くと、スジやディテールにそってスミが流れて溜まります。余分はエナメル系溶剤などをつけた綿棒で拭いましょう


▲水転写式デカールを貼ったら、つや消しスプレーで保護しつつ全体のトーンとツヤをを落ち着かせます。あとは灯火類を塗装して完成です。戦車の場合、ここから汚しなどが入りますが、基本的な完成までの道のりはここまでです


▲ということでざっくりと完成までの手順を紹介しました。ゲート跡を処理しつつパーツを切って、転輪を一皮剥いて、どんどん接着して、全体ができたら塗装の準備をして、そしてどんどん塗る。難しいことは考えずに突っ走れるのが戦車模型のいいところであり魅力でもあります。ぜひ、戦車のようにガンガンと走ってプラモデルを完成させてください!


デカール貼りや金属などの異素材の扱いなど、細かい部分に関してはまた機会があれば書きたいと思います。汚しについては、もっと上手な人が本ブログ執筆陣にはいらっしゃるのでその人が書きます。たぶん。
ということでスケールモデルの完成までの手順、AFV編でした。航空機や艦船についてもまた書きたいと思います。お楽しみに!


今回紹介したキットはこちら!

けんたろう/模型総合誌、月刊ホビージャパンや月刊モデルグラフィックスで絶賛活躍中。模型の腕前も確かながら「作品を残す作家タイプ」というよりも「模型を作る楽しさを探求し、発信するタイプ」のプロモデラー。


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