けんたろう所長のプラスチックモデルラボラトリー「横田基地祭に行ってきた!」

けんたろうでございます。つい先週末である9月14日、東京都の福生にあります横田基地に行ってまいりました。横田基地日米友好祭はおおよそ8月から9月の週末に行われるお祭りで、普段は入れない基地のなかに入ることができ、中にはアメリカンな食べ物やお菓子、そしてエプロンに展示された米軍や自衛隊の航空機が並んでいます。今回はその横田基地祭の様子をお届けします!

▲私も友人である編集(以下編)と毎年行っては、アメリカンな食べ物に舌鼓を打ち、今年も飛来したおなじみの面々を見て、写真を撮って、まったり過ごすということをしています。入場料もありません(そのかわり身分証の提示を求められます。パスポート、写真入り住基カード、運転免許証/本籍印刷もしておくと安心、のどれかを用意してください。)どちらかというと航空機がバンバン飛ぶほうのお祭りではないので、お客さんも地元の人が多く、お土産に本国仕様のエナジードリンクを買ったり、なが〜いフラスコビールを片手に歩いたり、夜に打ち上げられる花火を楽しむなど、肩の力の抜けた行事になっています


▲横田基地は基本輸送機の基地なのでC-130など輸送機がメインですが、韓国の米軍基地からF-16とA-10、国内からF-15(あるいはF-16)航空自衛隊からはF-2、F-15、あとはRF-4などが飛来します。近年はグローバルホークも運用に加わったので連続で居たりします。オスプレイも最近は毎年いるような気がします。F/A-18系もけっこう見かけますね。今年はG型グラウラーでした。ほかにも海兵隊や陸上自衛隊、海上自衛隊もヘリコプターをいくつか展示しています


▲もちろんモデラーですから、プラモデルでも人気のモチーフ達をしっかり見て、実機の細部を確かめたりするわけです。まったり見つつも、今年はこんな装備だった、というのはチェックしています


▲前置きが長くなりましたが、プラモデルの元ネタ、というべき実機を見るって、結構良くも悪くもあるなあという側面があると思います。とくに今年の展示はすごいものばかりで、モチベーションがむしろ下がるタイプの実機ばかりでした。
その理由は、ウェザリングがすごい。実機を捕まえてウェザリングとは何事かという話ですが、見てください。名うてのモデラーがやったような表面の汚れ、汚れ、汚れ……。A-10に至っては珍しく全周眺めることができ、触れる距離で見ることができましたが、全体のリベットの雰囲気、そして外板のパネルラインとは言えないなんとも言えないディテールの数々、こんなのエアフィックスが1/24で出さなきゃ再現できないでしょ……。と打ちひしがれる完成度でした


▲実機をみることのメリットってなんでしょうか。実機の雰囲気を知ることは塗装や仕上げに役にたつかもしれません。細部のディテールを知り、エッジやパネルラインを正すのもいいかもしれません。
それって本当ですか? 
見たからそのまま、びっくりするぐらいガビガビに塗装が剥がれて、キャノピーの根本に追加のゴムコーキングがだじだじ盛られて、全体にもはやMr.カラーの何番とも言えないグレーをまとって、エルロンのシリンダーから描いたような油汚れがほどばしる航空機を作れるのか? 無の理ですよ、無理!
こんなの作れるの日本でも14人ぐらいしかいないですよ……


▲むしろ実物を前にたじろいでしまうのはモデラーにとってあるあるなのではないでしょうか。総火演で、観艦式で、あらゆるジャンルで実物と模型が違うことを”わからされる”でしょう。かといってできないからってプラモデル作るのをやめるわけがありません


▲私は、プラモデルってディフォルメの賜物だと思っています。実物はぜんぜんそうなっていないんだけど、あたかもそうであるように振る舞っている。飛行機にせよなんにせよカウルの厚みをそのまま再現したら射出成形なんてできない薄さなので、全体的な厚みが変更される。さらには組み立てにともなって実機とは違う分割になり、パーツとして最適化されている。我々が模型に対してする塗装やウェザリングも実機そのままにはならずある程度ディフォルメですよね。
結構アドリブでバランスを見てやっていくわけです


▲私の尊敬するあるモデラーさんは、膨大な実機や実物の写真を収集していました。それはそのものの資料というより、おおよそモチーフのまとう雰囲気や汚れ方、使用感のカタログという感じで収集していたように思えます。模型筋力を鍛えるスクワットのように1枚1枚を収集していたように見えました。
だから実機と相対してこれを完成品に何がなんでもしてやるというよりは、この感じをどう模型に輸入するか、落とし込むか、というのが実機をみたときにすることです。実物そのままを目指すのではなく、実物っぽく見せるために実機を知ることです


▲モチーフの実物に出会った感動をそのままぶつけることが最もモチベーションの上がる実機との関わり方だと思います。自分ならRF-4のインテークに書かれたSPOOKくんの姿が泣ける、これが今回一番作りたくなったところですかね


▲実機を前に完成度とか思うぐらい頭がバグったのでおやつを紹介します。近年アメリカではなんでも揚げるのが流行しているのか、揚げオレオなるお菓子が登場しています。ドーナツに使うような甘い衣をまぶしてオレオを揚げたものなんですが、食べると甘さのメーターがマッハに行きます。そしてなんでも揚げればいいとおもっているのか、フライド・チーズケーキなるものが売られています。


▲米軍機密情報:米軍の出店の肉はでっかーい網でじゃんじゃか焼かれる。これで結構美味しい食べ物になる。さすがバーベキューの国……


いやほんと、プラモデルのことで頭がいっぱいになる前に、ほどほどでゆっくり楽しむのが基地……いや吉です。とくにこの横田基地ではね。次回は模型ネタに戻ります、ではまた来週!


今回のキットはこちら!

けんたろう/模型総合誌、月刊ホビージャパンや月刊モデルグラフィックスで絶賛活躍中。模型の腕前も確かながら「作品を残す作家タイプ」というよりも「模型を作る楽しさを探求し、発信するタイプ」のプロモデラー。


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