缶スプレーで戦車模型をちょっと本格的に仕上げる方法

ワタクシ方法はあまり考えないというか、塗れればなんでもいいんですよね。もっとも条件があってですけど、筆塗りは筆塗りで楽しいし、エアブラシも馴れてしまえばやっぱり便利。そういうことで言えば缶スプレーも手軽さがありつつ、使い方によっては本格的な塗装にも使えるという認識なんです。ということで今回はワタクシなりの缶スプレーの使い方を紹介します。といっても使う前によく振りましょうとか、30㎝暗い話してシュシュっと言うより、より実践的に先日「ロコ組み」で作ったタミヤの1/48「Ⅲ号戦車L型」を塗ってみたいと思います!



▲というわけで、さっそく吹いていきますよ〜! まずは車体下部に木甲板色を吹きます。缶スプレーですからね、さすがに室内というわけにはいかないので、おそとで段ボールを敷いてやっております


▲車体下部とキャタピラ(足回り)が塗り終わりました。缶スプレーは一度で塗ろうとせずに3回ぐらいに分けて少しずつ塗り重ねていくとうまくいきます。また色々ある模型用缶スプレーですがタミヤのものは垂れにくくとても塗りやすいので初めての方にもおすすめです


▲今度は砲塔と車体上面にジャーマングレーを吹いていきます


▲先に吹いた木甲板色の部分にジャーマングレーが吹きこぼれてしまったので修正しました。缶スプレーならお直しもシュシュっと簡単ですな


▲缶スプレーでの基本塗装が完了しました


▲車体下部前面と後面はどちらの色ともつかない、ぼや〜っとした感じにしときます。こんな感じね


▲缶スプレーはべったりなんですが、狭いところや奥まったところは塗料が周りにくく塗りのこしができたりします。無理にスプレーで塗ると厚吹きになりモールドを埋めたり悪さします。飛沫が届かず濡れていない部分は、缶スプレーの塗料をいったん容器にとり、筆を使ってタッチアップするといいですよ


▲タッチアップといえば、ついでに缶スプレーから出した塗料で転輪のゴム部分も塗っておきますかね。こうチョチョイとね


▲基本的な塗装が完了したら、エナメル塗料を使ってスミ入れします。ちなみに車体下部とキャタピラには行っておりません


▲じゃぁ、キャタピラはそのまんまかというとそうではない。エナメル塗料のジャーマングレーを使ってガシガシとドライブラシしていきます


▲車体下部もキャタピラと同様にガシガシとドライブラシ。つまり元々の車体色(キャタプラは違うけど)を復活させるってわけです。こうすることでスミに溜まった土埃が簡単に表現できるってわけなんです


▲下部のドライブラシが完了したら、少し明るくしたエナメル塗料のグレーで全体をかる〜くドライブラシイング(戦車用語は何でもイングをつけたがる)。これで全体の統一感が出てくるのだ


▲ドライブラシがいいところで、スコップなど車外装備品をタミヤ アクリル塗料で塗り分け、デカールを貼ります。と、今ままでの工程で全体のつや具合がメチャクチャになってしまった。そこで艶消しクリアーを吹いて整えておきましょう


▲最後の最後に銀ブラシイング。タミヤのペイントマーカーを筆にとり、キャタピラや起動輪の歯、金属製の社外装備品などに行いギラっとさせておきましょうね。どうです?キャタピラなんか、かなり金属感出てきたでしょ?


▲というわけで完成しました


▲足回りの埃っぽい感じがいいでしょ? もともとワタクシ、ウオッシングとドライブラシの楽しさに惹かれて戦車模型を始めたので、思いついた方法と言いますか。なので超楽しかったっす。ちなみに1/48だけでなく1/35も条件が合えば今回と同じ方法で仕上げたりもしております。つまりワタクシのスタンバードな塗装法の一つを紹介させていただいたというわけですな


缶スプレーを使った今回の完成品はいかがですか?全然ちょこざいじゃないでしょ?さすがに多色迷彩は苦手だけど、単色迷彩なら使い方次第でバッチリいけるんです。例は戦車でしたがそのうちカーモデルの缶スプレー塗装なんていうのもやりたいですね。というわけでメチャクチャ使える缶スプレー。ホビーリンクジャパンさんではこのブログに合わせて「緊急企画  缶スプレー大セール!」もやってくれるそうなので、是非この機会にゲットして皆さんも模型に吹きまくっちゃってくださいね!ではまた来週〜

海外メーカーの塗料や、憧れのエアブラシなど盛りだくさんです♪

元戦車模型専門誌「月刊アーマーモデリング」誌編集長にして、現在は月刊モデルグラフィックス誌などで活躍する模型誌モデラー。戦車模型への愛と知識もさることながら、陸海空スケールキットからキャラクターモデルに到るまで全てのジャンルに精通。約1000個のキットストックを持つ生粋の模型好き。

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