けんたろう所長のプラスチックモデルラボラトリー「メッキ塗装を考える」

けんたろうでございます。みなさんメッキ調のパーツ、好きですよね? 鏡のように周囲のものを反射するぐらいのピカピカなメッキは私も大好きです。近年は塗料も充実しており、昔よりたくさんのメッキ調塗料が発売されています。
ぴんぽんぱんぽーん。おしらせです。
わたくしけんたろうの撮影技術では、メッキ調をよりよく撮影するのは難しく、肉眼より画質がいくばくか劣ってしまうことをお詫び申し上げます。



左からガイアノーツのプレミアムミラークローム。真ん中はボークスが輸入しているKカラー。そして右はGSIクレオスのメッキシルバーnextです。基本はこのメーカーについて説明します。



▲しかし、メッキ調塗料の悩みはただひとつ。案外メッキにならないことです。おかしいなあ、メッキ調塗料って言われて買ったけど、明るいシルバーぐらいじゃん。ってことあります。結構シビアだったりします



▲パッケージにはやり方がめっちゃ書いてあります。基本的にはエアブラシとエアを絞るためのレギュレーターは必須です。これを用意してなお精密な調整が必要らしいです。私はこれに従って失敗しました(2敗)


▲でも大丈夫です。今回は私でもできた、特殊かつ単純なやり方でメッキ調塗料を攻略してみたいと思います。発見者の名前をとって”ナガオ式”と勝手に呼んでいます。このやり方なら、誰でも80点が取れるメッキ調の仕上がりになります。ちなみにナガオ氏というのは私がホビージャパン誌のコーナー、月刊工具を一緒にやっている担当氏です。私と一緒に工具を試したりしていて、そのなかで公式のやり方とは別に見つけたんです。そう、これからの方法やマテリアル、みんなホビージャパンに載っているので月刊工具も見てください(突然の宣伝)


▲やり方はかんたんです。塗料は希釈せず瓶生でいきます。コンプレッサーの圧を限界まで下げます。そして、塗料の突出量も限界まで絞ります。先端からギリギリ塗料が出るところ、しかもポツポツと出るところまで絞ってください。まとまりが出るのではなく、飛沫がつくぐらいです。シューではありません。カスカスカスカス……ぐらいです。とにかく絞りに絞って、ロクに塗料が出ないようにしてから近づけて吹きます


▲最初はこんなんでメッキになるかい、と思うでしょう。カスカスの飛沫がメッキになるわけがないと。一箇所に当てないように、ぐるぐると回りながら当て続けてください。すると……


▲見てください、板に映るエアブラシの先端。だんだん白い面が埋まってくると、このようにメッキ調になるのです。通常のやり方に比べて時間がかかるのと根気が要ること、そしてけっこう肉眼だと塗れたと思っても写真だとまだ塗りきれてないなど塗り続ける必要があるやり方ではありますが、塗りすぎて光沢を失うリスクは少ないです。あとは白い部分がなくなるようにがんばって隙間を埋めましょう


▲この塗装の前に必要なことがもう一つあります。表面が平滑なことは絶対条件です。プラ板に塗装したサンプルを見てみましょう。右のツルツルの面はしっかりミラーになっていますが、左のザラザラの面に塗装したものはただの明るいシルバーです。このように表面がツヤであることは大事なんですね


▲なのでサーフェイサーからツヤあり黒を吹いて表面を光沢にするというのがセオリーです。先にこれができていればあとはナガオ式でメッキ調にできるわけです


▲このナガオ式のいいところは、入り組んだパーツでも落ち着いて塗ることができるというのもあります。塗りづらい場所もゆっくり対処できます。厚塗りを避けようと急いだ結果の失敗というリスクがないわけです


▲おまけでKカラーズのちょっと特殊なメッキを紹介します。ブラッククロームは黒く光るメッキ調塗料です。右の通常のメッキ調塗料と比べると一目瞭然。Kカラーズのメッキ調塗料もナガオ式で塗れます


▲武器の一部分とか銃器など、ギラッと黒く輝く姿はそりゃあもうココロくすぐる色なんですよ。Kカラーズはボークスで販売しているのでお近くにある人は探してみてくださいね。通常のメッキ調塗料もありますが、やはりブラッククロームがオススメです


ちなみにあまりベタベタ触ると剥がれるので、この手の塗料は最後の方に塗るか、扱うときに触れないようにしましょう。とはいえ近年のメッキ調塗料は上からクリアー塗料を重ねてカラーメッキっぽくもできるぐらい後処理にも対応する丈夫さもあります。
一度マスターすればここぞという勝負で使って楽しいのがメッキ調塗料です。カーモデルのホイールやウイング、キャラクターの持つ武器、飛行機の翼……。それどころかうれしくてそのへんに転がってるパーツとかやっちゃうんですよね。それぐらいの魔性の魅力がメッキ調塗料にあります。ぜひ楽しんでみてください。それではまた来週!


けんたろう/模型総合誌、月刊ホビージャパンや月刊モデルグラフィックスで絶賛活躍中。模型の腕前も確かながら「作品を残す作家タイプ」というよりも「模型を作る楽しさを探求し、発信するタイプ」のプロモデラー。


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