タコムが思想を一新!? 新シリーズ「ブリッツ」始動!
タコムから1/35ヤークトティーガーが発売となりました。タコムですからね、仕上がり間違いなく良いでしょうな、そこは心配しなくても良いと思う。初期型後期型が作り分けられるのも嬉しいし。でもこのキットはそれだけじゃないんです。なんでもタコム的には新しい取り組みと言いましょうか、思想を一新したシリーズ、「ブリッツ」の第一弾なんだそうです。その思想(?)とはザックリ言うと「パーツ数を少なくすること」それにより「作りやすくすること」なんだそうで、確かに特に第二次大戦のドイツ軍車両については、他社の製品との差別化を図るためかエンジンから何から入った「フルインテリア」で、高さのある箱にパーツがギッシリ。とても気軽にと言う製品ではなかった(究極のものにするべく作り込みたい場合には最高なんですけどね)。そこでインテリアとか入れず、パーツ数を抑えたベーシック(?)なシリーズを展開していくと言う運びになったようなんです。というわけで本日は気になるブリッツシリーズのキットを見ていきたいと思います
戦車模型はスコップなど車外装備品がフェンダーの上に一体成型されている時代、パーツを削りとり、スクラッチしたスコップを乗せ直すなんてことから始まり、エッチングパーツを経て、さらにさらにとモデラーが望むうちに究極とも言えるグンゼ産業の「ハイテックシリーズ」にいきつくわけです。確かにハイテックシリーズは究極の夢を見せてくれましたが同時に「コレがプラスチックで作れたらなぁ〜」なんて思いも。その夢はドラゴンの「スマートキット」で完全に昇華されるわけですが、気がつけば最初の頃から(ハイテックと比べても)再現度や正確さは飛躍的に高まったもののパーツ数はまるで天井知らずのように増えていき、戦車模型を作るにはそれなりの作業量を必要とするようになっていったと思います(タミヤ さんだけが冷静だったのはさすがとしか言いようがない)。後に続く海外メーカーもそうしたパーツは多いけど再現度が高いものを手本にしたからなのか分かりませんが拍車がかかる。戦車作るだけでも大変ですからね。そりゃぁ、情景作りませんか?って言われたってなかなか難しいと思います。そのためかわかりませんが近年、戦車模型の大きな魅力だった情景との良い関係にも陰りができてきたような? 元々戦車情景派だった方は他のジャンルに流出している気もするし。
コレがワタクシが思う「40年ぐらいかけて出来上がった今の戦車模型の世界」だと思います。振り返って思えば、再現度が高まったのはワタクシのようなオジサマモデラーの功績でもあり、と同時に罪でもあるように思えてきた(オジサマ方も今やパーツが多いと嘆いていたりする…)。そして「パーツがメッチャ多い派」のタコムが提案するブリッツシリーズ。「いったん落ち着こう」じゃないですけど、これからは「作りやすい」と言うことが求められる流れもいいのかもしれませんね。これがきっかけになるかはわかりませんが、もしかするとまた数年後振り返ったときに「あのキットの頃がターニングポイントで、作りやすくなったよね〜」なんて言っているかもしれませんね。たまには真面目っぽい事も言う(笑)。ではまた〜
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